広告主様が売上成長の加速に役立てるために使用する4つの施策

投稿者: Raghvendra Mani、アナリティクスおよびメディアマネージャー

EU5か国(英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン)での最近の調査により、2013~2020年の期間にパフォーマンスが特に高かった広告主様が、グランスビュー数を伸ばし、売上成長を加速させるのに役立った4つの主要な分野があることがわかりました。

ストーリーのハイライト:

Amazonストアにすでに広告を掲載しており、2013~2020年の間に新しい地域、特にEU5か国(英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン)に進出した約3,000のブランドを分析しました。各広告主様について、スポンサープロダクト広告の開始を基準日とし、0~6か月目および7~12か月目までの累計売上とグランスビュー数を測定しました。このデータを使用して5つのクラスターを作成し、クラスター1(グランスビュー数と売上増加率が最も高い広告主様)とクラスター5(グランスビュー数と売上増加率が最も低い広告主様)を比較しました。

クラスター1につながったアクションを調査しました。平均すると、前年比の売上成長は16.4倍、グランスビュー数は3.8倍高いことがわかりました。

指数化された成功指標パフォーマンス
(ベースライン=クラスター5)

売上の増加

売上の増加。クラスター1: 16.4、クラスター2: 6.8、クラスター3: 2.3、クラスター4: 2.7、クラスター5: 1.

グランスビュー数の増加

グランスビュー数の増加。クラスター1: 3.8、クラスター2: 3、クラスター3: 1、クラスター4: 1、クラスター5: 1.

データの収集方法について詳しくは、この記事の最後にある調査方法セクションを参照してください。

1.パフォーマンスが特に高い広告主様は、スポンサープロダクト広告とスポンサーブランド広告を利用し、カスタマーレビューを増やしている

インサイト

クラスター1に属する広告主様の80%以上で、分析期間中にカスタマーレビューの数が増加しました。さらに、クラスター1の広告主様は、スポンサープロダクト広告キャンペーンとスポンサーブランド広告キャンペーンの両方を実施しており、実施した週数の中央値は他の広告主様よりも高いことがわかりました。

推奨事項

お取引会社様の場合: Amazon Vine先取りプログラムを利用しましょう。このプログラムは、Amazonで高い信頼が寄せられているレビュアーからの正直で公平なフィードバックなど、より多くの情報をお客様に提供するために作成されました。

出品者様の場合: Amazonブランド登録に登録し、早期レビュー取得プログラムを利用して、商品のレビュー数を増やすことができます。

2.パフォーマンスが特に高い広告主様は、年間を通じて広告キャンペーンを実施している

インサイト

常時掲載キャンペーンは、時間の経過とともにアルゴリズムがキャンペーンを改善するためのインサイトをより多く獲得するので、キャンペーンパフォーマンスを向上させるのに役立つことがあります。クラスター1の広告主様は、平均すると、下位のクラスターと比較して3倍の期間、スポンサープロダクト広告キャンペーンを継続して実施しています。

常時掲載広告は、認知度、検討、コンバージョンの各戦術を同時に実施することで最も効果を発揮します。Amazon DSPを通じたディスプレイ広告などの認知度および検討戦術は、新規顧客をファネルの下の方に誘導するのに役立つことがあります。また、ディスプレイリマーケティングなどのコンバージョン戦術は、購入決定を促すのに役立つ可能性があります。

推奨事項

複数の国で商品を出品する場合、広告主様は各国のピーク期間とピーク以外の期間を個別に考慮する必要があります。パフォーマンスが特に高い広告主様を含め、多くの広告主様は、オフピーク期間には常時掲載キャンペーンに投資し、ピーク期間には季節広告を掲載しています。キャンペーン計画を(各地域で)最大限に行うには、オフピーク時の常時掲載のキャンペーンアプローチを検討し、ピーク時の広告を各地域の季節カレンダーに合わせて調整する必要があります。

3.パフォーマンスが特に高い広告主様は除外キーワードを使用している

海外の新しい地域に進出する場合、地域に合わせたキーワードのほうが良いパフォーマンスを示しました。

除外キーワードとは、パフォーマンス目標に適合しない商品検索結果ページに広告が表示されないようにするための単語やフレーズです。適切なキーワードを使用し、除外キーワードを避けることは、検索するお客様に商品を見つけてもらいやすくするのに役立つ場合があります。

除外キーワードの仕組みの例を以下に示します。

ASINカタログ除外キーワード考え方
パティオファニチャーダイニングルームの家具購入者がダイニングルームの家具を検索している場合、広告は表示されません。
パティオ家具カバーソファー家具カバー購入者がソファーカバーを検索している場合、広告は表示されません。
パティオスイングセットとソファー商品の両方スイングセットを宣伝するキャンペーンのソファー商品ソファー商品ラインを宣伝する広告は、パティオスイングセットを宣伝するキャンペーンの広告の横には表示されません

推奨事項

新しいマーケットプレイスに進出する場合、商品レビューを参考にキーワードを検討できます。フレーズ一致を使用して多数のオーディエンスにリーチし、完全一致とのバランスをとることで、商品の見つけやすさを改善します。商品のキーワードをテスト、学習、最適化します。

Amazon広告コンソールにアクセスできる広告主様は、キーワードローカライゼーションツールを使用して、EU5か国に属する希望の言語に翻訳できます。これは、以前には別の地域でマニュアルターゲティングキャンペーンを開始する妨げになっていたかもしれない言語の壁を取り除くのに役立ちます。始めるには、広告コンソールに移動し、新しいキャンペーンを開始し、マニュアルターゲティングを選択し、推奨キーワードまでスクロールします。ここで、各推奨キーワードの下に関連性の高い翻訳されたキーワードが表示されます。

4.パフォーマンスが特に高い広告主様は、広告を地域拡大や商品発売と組み合わせている

インサイト

CPC Strategy社が実施した2018年Amazon購入者の行動調査では、Amazonのお客様の80%は新しい商品やブランドを発見するためにAmazonを利用していることがわかりました。1 この調査では、新しい地域での早期の広告が商品の発見に役立ち、ひいては商品売上の増加に役立つ可能性があることがわかりました。

この調査では、スポンサープロダクト広告またはスポンサーブランド広告を使用して商品発売や新地域への拡大をサポートすることを選択した広告主様の84%で、初年度に売上増加が見られています。クラスター1の広告主様は、平均して、新しい地域への参入から6日以内に最初のスポンサープロダクト広告キャンペーンを開始しています。これらの広告主様には、他の広告主様よりも早く他の商品(スポンサーブランド広告)を採用する傾向もあります。クラスター1の広告主様がスポンサーブランド広告を開始するまでの日数の中央値は40日です。

推奨事項

最初のキャンペーンを開始したら、今後もAmazonで学習を継続してください。Amazonのスペシャリストにチャットで質問したり、ターゲティング、予算と入札額、キーワード、レポートに関する中級および上級オンラインセミナーに参加したりして、Amazon Adsの広告パフォーマンス向上に関するトレーニングを受けましょう。

Amazonストアに商品を追加する前に、商品紹介コンテンツの利用を検討してください。Amazonの商品詳細ページにリッチテキストや画像を使用して、ブランドストーリーや商品の特徴を紹介できます。Amazonでブランドを構築すると、コンバージョンを促進するのに役立ち、トラフィックと売上の増加につながる可能性があります。

調査方法

ハードラインカテゴリー内で、自国以外に出品しており、2013~2020年にかけて英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペインのうち3か国以上に展開していた約3,000の広告主様を分析しました。この調査では、中国の広告主様を除外しました。

スポンサープロダクト広告の開始後0~6か月目および7~12か月目で、各広告主様の売上合計およびグランスビュー数(GV)を集計しました。次に、これら2つの期間を比較した場合の売上とグランスビュー数の増加を測定し、複合スコアを作成しました。そのうえで、機械学習アルゴリズムを使用して、複合スコアの向上に対応する主な広告戦略およびリテール戦略を特定しました。

広告主様はどのようにクラスターに分けられますか?
機械学習アルゴリズムを使用し、広告主様を広告およびリテールの属性に基づいて自動的にクラスターに分類しました。

クラスター1

クラスター1: 9%

クラスター2

クラスター2: 14%

クラスター3

クラスター3: 53%

クラスター4

クラスター4: 10%

クラスター5

クラスター5: 14%

クラスタリングはどのような仕組みですか?
広告費用対効果(ROAS)、リテール売上高の前年比成長、商品ページビュー数の前年比を組み合わせて、バイナリ複合スコアを作成しました。3つのコンポーネントすべてにおいて上位50%にランクインした広告主様を「1」、その他の広告主様を「0」とラベル付けしました。 次に、XGBoost分類子を適用して、これらのラベルを最も効果的に予測する特徴と重みを特定しました。その際、広告アクションまたはリテールアクションを、広告商品の利用度と組み合わせ、広告サポートのタイミング、ターゲティングの戦略、クリエイティブと掲載枠、カスタマーレビューの数と評価、高品質の商品ページの商品の割合、広告掲載対象商品の種類などの特徴として見なしています。

上記の特定した特徴と重みを使用して、k-medoidクラスタリングアルゴリズムを適用して、広告主様をクラスターに分類しました。広告主様は、複合スコアの構成要素ではなく、アクションによって分類されています。次に、最後のクラスターを複合スコアの高い順から低い順にランク付けしました。