ディスプレイ広告とスポンサー広告を使用する長期的なメリット

投稿者: Daniela Yu、シニアアナリティクスおよびメディアマネージャー

広告主様は、アクティベーション中に広告の短期的な効果を観察することがよくあります。ただし、問題はその後どうなるのかということです。 Amazonの分析では、ディスプレイ広告による長期的な売上効果と、スポンサー広告との相乗効果が明らかになりました。広告主様は、ディスプレイ広告とスポンサー広告を併用することで、長期的なメリットと相乗効果を得ることができます。

ストーリーのハイライト:

広告主様は多くの場合、単一の広告プロダクトの短期的な効果を評価することには慣れていますが、長期的な効果や広告プロダクトにおける相乗効果についてはわからないことが多いものです。このような効果を明らかにするためには、アクティベーション期間後の販売効果を考慮し、各広告プロダクトの個別の効果と、追加の併用効果(「1+1=3」の相乗効果)を考慮して分析する必要があります。

こうした分析を、ビューティー、食料品、ヘルスケア、パーソナルケアの各カテゴリーにおける77週分のデータを用いて行いました。調査した広告プロダクトは、ディスプレイ広告のインプレッションとスポンサー広告で、スポンサーブランド広告スポンサープロダクト広告の両方が含まれます。調査対象となったブランドのうち9つはカテゴリーをリードしており、6つはチャレンジャーブランド(カテゴリーリーダーではないものの、ダウンストリームの結果に注力してシェアを獲得しているブランド)です。

1.ディスプレイ広告はアクティベーション期間を超えて売上を促進

調査対象となったブランドがディスプレイ広告に投資した際に、アクティベーションを行った週だけでなく、続く週の売上も増加しました。

下の図では、キャンペーンのアクティベーションを行った週にブランドが100(指数)の売上を獲得しました。これは、キャンペーンのアクティベーションを行った週の売上が、ベースライン売上(キャンペーンを実施しなかった場合の売上予測)と比較してどれだけ高くなったかを示すものです。キャンペーンが終わった次の週も、売上はキャンペーン前のベースライン(指数0)よりも70高く、その後も数週間はベースラインよりも高くなっています。

この長期的な効果は、ディスプレイ広告の短期的な効果の4倍、スポンサー広告の短期的な効果の2倍と、非常に大きいものでした。これは、ディスプレイ広告が上位ファネルのオーディエンスにリーチするという、広告主様の認識と一致します。結果として、販売効果がより長く持続し、ファネルの下位にいる消費者の行動を反映するものとなりました。

12週間にわたる売上増加のグラフ。第1週(キャンペーンのアクティベーションを行った週)にブランドは100(指数)の売上を獲得し、第2週の売上は70、それ以降の週の売上はベースライン(指数0)よりも高い状態が続きます。

Y軸: 売上の増加

X軸: 週(第1週=キャンペーン実施週)

2.ディスプレイ広告はスポンサー広告との相乗効果を発揮することが多い

相乗効果は、分析対象のブランドの約半数で顕著に見られます。ディスプレイ広告とスポンサー広告を併用することで、それぞれの広告プロダクトが持つ個別の効果の合計以上の売上効果が得られます。残りのブランドでは、それぞれの広告プロダクトから別々の売上増加が見られましたが、相乗効果は得られませんでした。

下の図では、ブランドの具体例を挙げて、その仕組みを説明しています。ディスプレイ広告とスポンサー広告の両方のサポートが全週の中で「下半分」に位置した週では、売上は平均で100(指標ベースライン)でした。平均売上高は、ディスプレイ広告のサポートが「上半分」に入って高かった週では12%、スポンサー広告のサポートが「上半分」に入って高かった週では34%増加しました。しかし、両者が「上半分」に位置する週では、平均売上高は46%(12%+34%)ではなく、ベースラインよりも78%も高くなりました。したがって、このブランドは、ディスプレイ広告とスポンサー広告を併用することで、それぞれを単独で使用した場合よりも32%(78%-46%)のプラスの効果を得ることができました。

リテールにおけるスポンサー広告とディスプレイ広告の相乗効果

100%
112%
134%
178%

3.チャレンジャーブランドは相乗効果を得る可能性が最も高い

どのようなブランドが相乗効果を発揮するのかを調査していくと、チャレンジャーブランドに多いことがわかりました。実際、調査対象のチャレンジャーブランドの5つのうち4つでは、大きな相乗効果が見られています。これは、購入者の多くが最初はチャレンジャーブランド(上位ファネル)を知らないため、下位ファネルでのアクションが購入意欲を高めるのに役立つ可能性がある、と考えられるためです。

購入者の購入までの過程において、広告主様はディスプレイ広告を使用してブランドや商品への認知度と関心を高め、スポンサー広告で購入の促進に役立てることができます。最後に、調査対象となったチャレンジャーブランドでは、スポンサーディスプレイ広告の長期的な販売効果が高くなることもわかりました。

下の図は、調査対象のリーディングブランド(青)とチャレンジャーブランド(オレンジ)の平均的な販売効果をそれぞれ示しています。典型的なリーディングブランドは、キャンペーンを開始した週に大部分の販売効果が見られたのに対し(上記の図1)、典型的なチャレンジャーブランドは、キャンペーン開始の1~2週間後に大部分の販売効果が見られました。

スポンサーブランド広告を採用した広告主様の割合

チャレンジャーブランドとリーディングブランドの7週間の平均販売効果の割合を比較したグラフ。リーディングブランドは、第1週(キャンペーン実施週)に大部分の販売効果が見られ、チャレンジャーブランドは、第2~3週(キャンペーン実施後1~2週間)に大部分の販売効果が見られました。

週(第1週=ディスプレイ広告の支出が増加した週)

チャレンジャーブランド

リーディングブランド

「オマハの賢人」と呼ばれているWarren Buffet氏がアドバイスしているように、大切なのは「常に長期的な視点で投資する」ことです。 そのアドバイスに沿って、Amazonの広告プロダクトを使用する明確な方法があります。

調査方法

この分析では、14ブランドのデータを使用しています。各ブランドのデータは、2018年1月から2019年7月までの77週の観測値(合計1078個の観測値)で構成されています。14ブランドは、3つのバーティカル(例:ヘルス&パーソナルケア用品の栄養、ウェルネスおよびベビーケア、食料品のコーヒーと冷たい飲料、ビューティーの量販店向けスキンケア用品および量販店向け化粧品)の6大カテゴリーを扱っています。14ブランドは、9つのリーディングブランドと5つのチャレンジャーブランドで構成されています。チャレンジャーとは、カテゴリーリーダーではないものの、ダウンストリームの結果に注力してシェアを獲得しているブランドと定義しています。この分析では、各ブランドについて、ディスプレイ広告のインプレッション、スポンサー広告のインプレッション、それらの相互作用(相乗効果の測定)、リテールインプレッション、月ごとの季節的な制御変数、テントポール制御変数の関数として売上を説明することを目的としています。各インプレッション変数が何週目に売上を促進するかは、ベクトル自己回帰モデルによって明らかになります。これにより、ディスプレイ広告、スポンサー広告、およびそれらの相互作用(相乗効果)による広告インプレッションの変化の関数として、売上の経時的な反応(図1、3)を定量化しています。