ガイド
AmazonのメディアプランニングAPIスイートを使ったキャンペーン予測の実践ガイド
Amazon AdsのメディアプランニングAPIは、メディアチームがパフォーマンスを予測し、オーディエンスインサイトを把握して、メディア費用を確定する前に予算配分を最適化するために役立ちます。
このガイドでは、戦略プランニングやオーディエンスの開拓から実施と効果測定に至るまで、キャンペーンのライフサイクル全体にわたるメディアストラテジストの取り組みを紹介します。AmazonのメディアプランニングAPIは、プランニング、アナリスト、バイヤーなど各役割の担当者をサポートします。クライアントの詳細は匿名化されています。本書内の数値はすべて、APIの機能を示す説明用の例です。
1億5,000万ドルの質問
私は中規模の広告代理店でメディアストラテジストを務めています。あるウェルネスブランドが、Amazon内の広告に1億5,000万ドルの予算を持って相談に来ました。質問が1つありました。 「これが効果を発揮すると保証できますか?」
私にはできませんでした。当社の誰にもできませんでした。私たちには15年の経験と数千件のキャンペーンの実績があり、このプロダクトには確かな自信がありました。しかし、確実とは言えませんでした。私たちは、構造工学が存在する以前に建築家が建物を設計していたのと同じ方法で、1億5,000万ドルのメディアプランを作成していました。つまり、経験、直感、希望を頼りにしていたのです。内心、私たちは恐怖を感じていました。3か月後、クライアントから質問がありました。 「予測どおりに、ターゲットオーディエンスにリーチできていますか?」 わかりませんでした。チャネルをまたいだユニークリーチを正確に測定できていなかったのです。当時のリーチ予測は、 経験に基づく推測でした。
6か月後、私はAmazon Adsのカンファレンスに参加し、答えられなかったすべての質問に答えを出せるメディアプランニングAPIについて知りました。
- 前四半期における、Amazonのインベントリ全体における広告主様のコンテキストのモデル化されたリーチはどのくらいでしたか?
- 予算レベルが異なると、リーチできるユーザー数はどうなりますか?
- 予算を確定する前に、どのようなキャンペーンの成果を予測できますか?
- 複数のチャネルで同じ人にリーチするために費用を支払っているでしょうか?
- どのようなお客様の行動が特に高いコンバージョン率につながりますか?
- メディア投資の真の効果をどのように測定しますか?
現在、同じクライアントは年間2億ドルを投資しています。同じチャネルへの支出を増やすのではなく、APIスイートを通じて特定した新しいペルソナとインベントリへ展開することで、完全に自信を持って実現しています。私たちが賢いからではありません。推測をやめたからです。
予測を行う代理店はデータに基づいて提案事項を裏付けることができ、クライアントはそこに報いてくれます。
メディアプランニングの基礎
メディアプランニングとは何か、またそれが重要である理由
メディアプランニングは、映画スタジオが大作映画の公開を計画するようなものです。制作に費用をかける前に、スタジオは次の質問を投げかけます。 オーディエンスは誰ですか? どのチャネルを使用しますか? 各マーケットにどれくらいの予算を配分しますか? どれほどの効果が期待できますか? 広告主様にとってはメディアプランニングも同様です。広告を購入する前に行う戦略的な取り組みであり、これによって、キャンペーンの成功につながる可能性が高まります。
プランがなければ推測になります。適切なツール、特にAmazonのメディアプランニングAPIスイートを活用することで、予測が可能になります。その差には数千万ドルの価値があります。
AmazonのメディアプランニングAPIスイート
AmazonのメディアプランニングAPIは4つのグループに分かれており、それぞれがプランニングの中核的な課題に対応しています。
リーチ曲線API
リーチした人数、これからリーチする人数、実際の重複はどのくらいか。
パフォーマンス予測
予算を確定する前に、どのような成果を予測できるか。
オーディエンスAPI
誰をターゲットにし、そうする理由は何か。
マーケティングミックスモデリング(MMM)API
チャネルをまたいだメディアの真の効果をどのように測定するか。
キャンペーンのライフサイクルにおけるメディアプランニングの位置づけ
すべてのAPIは、Amazon Adsのインベントリと行動シグナルを基盤として動作します。クロスパブリッシャーリーチ、重複排除、パフォーマンス比較、オーディエンス特性分析には、サードパーティの効果測定パートナーが必要です。
すべてのキャンペーンは4つのフェーズを経て進行し、メディアプランニングAPIは各フェーズに対応しています。
キャンペーン前
広告主様は費用をかける前に、過去の結果の分析、リーチとパフォーマンスの予測、プランの策定を行います。リーチ曲線API、パフォーマンス予測、オーディエンスAPIを活用することで、この3つすべてに必要なデータを取得できます。
キャンペーンのセットアップ
プランが整ったら、ターゲティングを設定し、チャネルを構成して、予算配分を確定します。オーディエンスAPIはリーチ対象を定義し、リーチ曲線API(リーチ予測、予測重複排除)は開始前にチャネルミックスを検証するために役立ちます。
フライト期間中
キャンペーンの開始後は、パフォーマンスを監視し、予算を調整して、ターゲティングを最適化します。リーチ曲線API(予測重複排除)は、ユニークなお客様にリーチできているか、それとも重複に費用を払っているかを示します。
キャンペーン後
キャンペーン終了後、実績と予測を比較し、得られた知見を抽出して、次のキャンペーンの計画を立てます。リーチ曲線API(過去のリーチ)は実際に起きたことを示し、MMM APIはそのシグナルを効果測定フレームワークに提供します。
メディアプランニングAPIスイート
各APIグループは、これまで確実には答えられなかった核心的な質問に答えます。これらを組み合わせることで、プランニング、費用のかけ方、結果の実証方法が変わります。それぞれの機能をわかりやすく説明します。
リーチ曲線API: リーチの把握、予測、最適化
リーチ曲線グループには、過去、将来、および重複を排除したリーチの全体像を把握するために連携して機能する3つのAPIが含まれています。
過去のリーチ: 実際に起きたことの把握
答えられなかった質問
クライアントの次のキャンペーンを計画する前に、過去のキャンペーンで実際に何が起きたかを把握する必要がありました。クライアントは次のように述べました。 「前四半期に約800万人のお客様にリーチできたと考えています。」 その800万人はユニークユーザーでしたか? それとも500万人に2回広告を表示しましたか? 手探り状態でした。
APIでできること
過去のリーチでは、広告主様のコンテキストに基づいて、Amazonインベントリの過去のリーチ曲線を確認できます。期間とオーディエンスのパラメーターを入力すると、Amazonのパネルデータとインベントリデータに基づいてモデル化されたユニークリーチの数値が返されます。推測は不要です。仮定もありません。
実際の仕組み
クライアントの過去のキャンペーンデータ6か月分を使用して、過去のリーチを実行しました。結果: 1,200万人のユニークなお客様であり、800万人ではありません。効果測定のギャップは50%でした。これがすべてを変えました。実際のリーチ単価は想定より37%低く、当初の指標が示していた以上に、キャンペーンははるかに効率的であることが分かりました。パフォーマンスが低かったのではなく、効果測定が不十分だったのです。このベースラインに基づいて、1億5,000万ドルのキャンペーンを確かな根拠に基づいて計画できました。
知っておくべきこと
過去のリーチは、将来ではなく過去のデータを参照します。次の四半期の予測はできません。ただし、実際の出発点を把握しなければ、良い予測の策定はできません。これは、来年度の予算を策定する前に昨年度の財務状況を確認するようなものです。重要な判断材料にはなりますが、それだけで戦略全体が決まるわけではありません。Amazonでの初回キャンペーンなど、履歴がない場合には適していません。
リーチ予測: 確定する前の予算テスト
答えられなかった質問
クライアントは次のように質問しました。 「費用として1億2,000万ドル、1億5,000万ドル、それとも1億8,000万ドルを使うべきでしょうか? リーチの違いはどうなりますか?」 従来であれば、前年の広告費を基に、おおよその線形的な伸びを推測するしかありませんでした。 こうした不確実性こそが、不安の原因なのです。
APIでできること
リーチ予測を使用すると、費用をかける前に予算シナリオをテストできます。ターゲットオーディエンス、キャンペーン期間、複数の予算オプションを入力します。各予算でリーチできるユニークなお客様数と、曲線が横ばいになるポイント(追加費用を投じてもリーチが比例して増加しなくなる地点)を示すリーチ曲線が返されます。
実際の仕組み
リーチ予測APIの機能を示す例:
| 予算 | ユニークリーチ | コスト/お客様 | 効率性 |
| 1億2,500万ドル | 1,780万人 | 7.02ドル | 非常に良い |
| 1億5,000万ドル | 2,040万人 | 7.35ドル | 推奨 |
| 1億7,500万ドル | 2,210万人 | 7.92ドル | 減少 |
| 2億ドル | 2,320万人 | 8.62ドル | 悪い |
曲線は1億5,000万ドルを過ぎると急激に横ばいになりました。1億5,000万ドルから1億7,500万ドルに増やしても、増加したお客様の数は170万人にとどまりました。追加のお客様1人あたりの獲得コストは14.70ドルで、平均の7.35ドルを大きく上回りました。この2,500万ドルを節約して、潜在顧客の発掘に再配分することをお勧めしました。クライアントは次のような反応を示しました。 「おかげで、費用をかける前に2,500万ドル節約できました。」
知っておくべきこと
これらは予測であり、天気予報と同様に保証ではありません。精度はキャンペーンの条件によって異なります。表示されている範囲は、一般的なパフォーマンスパターンに基づく例示です。信頼範囲を必ず示してください。例:「リーチ数は2,040万と予測され、想定範囲は1,850万~2,210万です。」 余裕を持って計画を立て、実績を追跡しながら、モデルを継続的に改善していきましょう。
予測重複排除: 無駄な費用の削減
答えられなかった質問
第4四半期のキャンペーンの半ばで、クライアントから進行状況確認の依頼がありました。複数のAmazon Adsチャネルを通じて2,160万人のユニークなお客様にリーチしていることをお伝えしました。これは良い数値だと感じていました。でも間違っていました。
APIでできること
予測重複排除では、Amazonの全チャネルにわたって実際にリーチしているユニークオーディエンス数を確認できます。各チャネルのリーチを単純に合算して水増しされた数値ではありません。チャネル間の重複をマッピングすることで、二重カウントが発生していて、同じオーディエンスに二重にコストをかけている箇所を正確に把握できます。
実際の仕組み
予測重複排除APIの機能を示す例:
予測重複排除を実行しました。実際のユニークリーチ: 1,320万(2,160万ではありません)。840万人の「お客様」が複数のチャネルにまたがる同一人物として表示されました。コネクテッドTVチャネルの重複率は68%でした。すでにリーチ済みのユーザーに対するリーチのため、61,740ドルが無駄になっていました。メディアミックスを再構成し、チャネル間の重複予算を削減しました。重複が少なかったTwitchへの支出を増やした結果、同じ1億5,000万ドルの予算で1,680万のユニークリーチを達成しました。無料でユニークリーチが27%増加したのです。
「同じユーザーに5つの異なる画面で広告を表示するために61,000ドルを支払っていました。これはマルチチャネル戦略ではありません。同じ部屋の家賃を5回払っているようなものです。」
知っておくべきこと
重複排除はAmazonのインベントリ内でのみ機能します。Google、Meta、TikTok、リニアTVも運用している場合、それらの重複はここには表示されません。以下の点を事前に広告主様にお伝えください。 「これはAmazonのオーディエンスの重複を示しています。クロスパブリッシャーの重複排除には、サードパーティの効果測定パートナーが必要です。」 期待値を明確に設定します。
パフォーマンス予測: 開始前の成果予測
答えられなかった質問
リーチは重要です。しかし、クライアントの本当の疑問は次のとおりです。 「このキャンペーンはどれほど効率的に配信されますか?」 1億5,000万ドルの投資を確定する前に、クリック課金制のコスト、期待できる動画再生完了率(VCR)、そしてこの支出で大規模な成果につながるのかを把握する必要がありました。私たちが言えた最善の言葉は次のとおりでした。 「業界平均に基づいていますので、信頼してください。」
APIでできること
パフォーマンス予測では、費用を投じる前にキャンペーンの結果を予測できます。指標(クリック数、動画再生完了率、商品詳細ページビュー)を選択すると、APIから予測曲線が返されます。支出レベルごとに、予測数、成果単価(CPC、eCPM、CPDPV、CPVC)、および比率指標(CTR、VCR)が表示されます。楽観的な見通しではありません。信頼区間を使用したデータに裏付けられた予測です。
実際の仕組み
パフォーマンス予測APIの機能を示す例:
このAPIは、計画した支出レベルにおける予測クリック数と成果単価を示す予測曲線を返しました。信頼区間の下限値でも、クライアントの効率ベンチマークを上回る結果となっています。私たちはプランニング会議に臨み、こう述べました。 「保守的なシナリオでも、成果単価はターゲット内に収まっています。このキャンペーンの承認をお勧めします。」
3か月後、実際のクリックスルー率と成果単価で、APIの予測値との誤差が5%以内に収まりました。このキャンペーンは、最終的にビジネス成果として4.0倍のROASを達成しました。正確な予測が確信ある意思決定につながる、そのような組み合わせにより、クライアントとの関係が大きく変わり、重要な契約更新を獲得できました。
知っておくべきこと
データが増えるほど、精度が向上します。新商品の発売時やピーク期間中は、変動幅が広がります。Amazonでの掲載履歴が長いキャンペーンほど、より精度の高い予測が得られます。信頼区間は保険をかけるためのものではなく、予測がどのように機能するかを正直に示すものであることをクライアントに明確に伝えてください。
オーディエンスAPI: デモグラフィックではなく、行動によるターゲティング
オーディエンスAPIグループは、単なる人口統計データを超えて、実際の顧客像を理解し、これまで存在を把握していなかった新たなお客様を見つけることを支援します。
答えられなかった質問
クライアントの元のターゲット: 「25~54歳の成人、健康とウェルネスに関心あり、世帯年収6万ドル以上。」 これは、Amazon内の約4,200万人に該当します。どのセグメントを優先すべきでしょうか、また、それぞれにどれほど配分するとよいでしょうか? 人口統計データは、人々がどのような人物かを示します。一方、人々がどんな行動をするかは教えてくれません。行動データがあれば、年齢層よりもはるかに正確にコンバージョンを予測できます。
APIの機能
- ペルソナビルダーは、Amazonのファーストパーティデータ(購買、視聴、検索)を活用して、オーディエンスを行動セグメントに分類します。年齢層ではなく、購入パターン、ストリーミングの視聴習慣、検索行動に基づくことにより、実際の顧客プロファイルが得られます。
- オーディエンスの発見機能は、これまで検討していなかった新たなオーディエンスセグメントを提示します。現在のターゲティングの範囲外にいながらも、行動から高い購買意欲が読み取れる人々です。これにより、これまで把握していなかったお客様を発見できます。
- オーディエンス重複では、各セグメントの重なりを確認できるため、どのオーディエンスが本当に異なるグループで、どのオーディエンスがほぼ同じ人々であるかを把握できます。これにより、大きく重複するセグメントへの過剰投資を防ぐことができます。
これらを組み合わせることで、次の質問に対する答えを導き出せます。 「最も優良なお客様は誰でしょうか、そのお客様に似た人は誰でしょうか、同じ人に二度ターゲティングしないためにはどうすればよいでしょうか?」
実際の仕組み
オーディエンスAPIの機能を示す例であり、残りの10%はオーディエンスの発見機能によって特定された新しいセグメントをテストするために確保されています。
| セグメント | サイズ | 行動 | 相対的なパフォーマンス | 予算 |
| アクティブなウェルネス愛好家 | 820万 | プロテインパウダー、フィットネスコンテンツ、「ワークアウト後」の検索 | ベースラインの2.9倍 | 50% |
| 健康志向の親 | 640万 | 子ども用ビタミン、自然療法、家族の健康 | ベースラインの1.7倍 | 30% |
| ライトなヘルス閲覧者 | 1,280万 | ビタミン剤(不定期)、一般エンターテインメント | ベースラインの0.6倍 | 10% |
幅広いデモグラフィックから行動特性に基づくペルソナへ予算をシフトすることで、キャンペーンの効率が大幅に向上しました。「アクティブなウェルネス」セグメントは、わずか820万人でありながら、最も高いリターンをもたらしました。この人たちはずっとスーパーファンでした。行動データを分析して初めて、この人たちを把握できるようになりました。
オーディエンスの発見機能により、これまで検討していなかったセグメントが見つかりました。 「オーガニックスナックを購入するフィットネス系コンテンツのストリーミング視聴者。」 オーディエンス重複により、このグループと既存のターゲットとの重複が12%未満であることが確認されました。既存のオーディエンスの焼き直しではなく、まったく新しいオーディエンスグループです。
知っておくべきこと
オーディエンスAPIは、Amazonの視点から行動を示します。お客様が主にAmazon外でショッピングやメディアの視聴をしている場合、全体像の把握はできません。包括的な視点を得るには、ファーストパーティデータを組み合わせてください。また、対象となるサンプル数が少なすぎて有意義なクラスタリングが難しい、非常に限定的なニッチ層のオーディエンスには適していません。
MMM API: 真のメディア効果の測定
答えられなかった質問
キャンペーン終了後、クライアントから質問がありました。 「Amazonへの投資は他のチャネルと比べて実際にどのような効果をもたらしましたか?」 プラットフォームレベルの指標は存在していましたが、Amazonのシグナルを広告主様のより広範な効果測定モデルに組み込む標準化された方法はありませんでした。分析チームがレポートの手動収集、データの再フォーマット、差異の照合に数日を費やした結果、インサイトがプランニングチームに届く頃には、次のキャンペーンはすでにフライト期間中でした。
APIでできること
MMM APIは、広告主様と効果測定パートナーにAmazonの広告シグナルとリテールシグナルへのプログラマティックアクセスを提供するので、より迅速でスケーラブルなマーケティングミックスモデリングが実現します。手動によるデータ交換が不要になり、メディアシグナル(インプレッション、リーチ、支出)と、リテールシグナル(カートへの追加イベントなどの日々のショッピング活動指標を含む)を、既存のワークフローに自動的に配信できます。その結果、クロスチャネルの予算最適化に向けた、より頻繁で信頼性の高いインサイトが得られます。
実際の仕組み
MMM APIの機能を示す例:
以前は分析チームが何日もかけて手作業で行っていたデータ処理が自動化されました。Amazonのメディアシグナルとリテールシグナル(詳細な購買行動データを含む)は、四半期ごとではなく毎日、クライアントのMMMに直接取り込まれました。その結果、Amazonへの投資が他のチャネルと比較してどのような成果をもたらしたかをより明確に把握できるようになりました。十分な頻度で更新されるため、手遅れにならずに、次の予算決定に実際に役立てられました。
知っておくべきこと
MMM APIはシグナルを提供しますが、モデルの構築は行いません。データの取り込みと分析を行うには、既存のMMMフレームワーク(社内または効果測定パートナー経由)が必要です。価値は自動化と標準化にあります。一貫したプログラマティックアクセスにより、手作業を削減し、より頻繁な分析が可能になります。
APIスイートの連携の仕組み
まず、過去のリーチを使用して、ベースラインを把握します。リーチ予測とパフォーマンス予測を活用して、自信を持って次のキャンペーンを計画します。予測重複排除を実行して、無駄な広告費を削減します。オーディエンスAPIを活用して、ターゲティングの精度を高めます。MMM APIを使用してクロスチャネルの真の効果を測定し、次のサイクルに活用します。これらを組み合わせると、「何が起きたか」「これから何が起きるか」「実際に何を配信したか」というプランニングサイクル全体が、データ主導型のプロセスに変わります。
実施と成功
完全な変革:結果
これは例示的な比較であり、結果はカテゴリー、ベースライン、実施方法によって異なります。APIの導入は、この期間における複数の変化のうちのひとつでした。クリエイティブの改善、カテゴリーの成長、業務運用の成熟化も、それぞれ同時に成果へ貢献しました。
| 指標 | APIなし(1年目) | APIを使用(3年目) | 変化 |
| 年間予算 | 8,500万ドル | 1億5,000万ドル | +76%拡大 |
| ユニークリーチ | 800万(推定) | 1,680万(実測値) | +110% |
| キャンペーンの効率性 | ベースライン | 大幅な改善 | +29% |
| 予測精度 | N/A(推測) | データ主導型 | 予測可能 |
| プランニング時間 | 28時間 | 9時間 | -68% |
| クライアントの信頼 | 「これは機能しますか?」 | 「予測はどうなりますか?」 | 変革された |
代理店における変化
クライアントとの関係が最も大きく変化しました。APIの採用前は、クライアントから「このキャンペーンはターゲットに届くでしょうか?」と聞かれ、私たちは「自信があります。信頼してください」と答えていました。 その後、クライアントから「予測と信頼区間は?」と質問があり、データに基づいて回答しました。このような取引会社から戦略的パートナーへの転換により、クライアント維持率が大幅に向上し、クライアントあたりの収益拡大につながる可能性があります。
キャンペーンあたりのプランニング時間が28時間から9時間に短縮されました。私たちは、1つのプランを作成して期待するだけの姿勢をやめました。5つのシナリオを作成し、リーチ曲線を比較して、データによって最適な支出を提案できるようにしました。IPG、OMG、GroupM、WPP、電通、Publicisなどの大手持株会社は、これらのAPIを独自のプランニングツールに統合しています。独立系代理店の方は、これらのツールを活用することで他社との競争力を維持できます。
主な知見
- 過去のリーチが基盤となる。 実際に何が起きたかを把握しなければ、正確な予測はできません。たとえ事実が受け入れがたいとしても、すべてのクライアントとの関係はここから始めましょう。
- 1つのプランではなく、複数のシナリオを予測する。リーチ曲線を使用して、3~5種類の予算オプションを提示します。データに提案事項を語らせましょう。クライアントは単なる最大化ではなく、最適化を重視します。
- 信頼区間は、偽りの確実性よりも高い信頼性をもたらす。 特定の数値を約束しないでください。信頼レベルを含む範囲を提示します。範囲内で配信できれば成功です。
- 行動データはデモグラフィックより優れている。 「25~54歳の成人」へのターゲティングをやめましょう。 「プロテインパウダーの購入者でフィットネスコンテンツをストリーミング視聴しているお客様」をターゲットにします。 コンバージョンの違いは重要です。
綿密に計画し、自信を持って予算を投じ、すべての成果を可視化しましょう。
利用を開始する
始める前に: 前提条件
- 対応マーケットプレイス(ご利用のロケールが対象かどうかを確認してください)
- Amazonキャンペーン履歴(過去のリーチには最低6か月分を推奨)
- マルチチャネルメディアミックス(予測重複排除を有意に活用するために必須)
- AMCインスタンス(ファーストパーティデータのレイヤリング用)
- 開発者登録とアカウントチームへの申し込み
段階的なアプローチ
すべてのAPIを一度に導入する必要はありません。私たちの取り組みと、皆さんが実践できる方法をご紹介します。
- 1か月目: 過去のリーチ。 「過去のリーチ」を実行して、過去6か月間のカテゴリーとインベントリの組み合わせに対するベースラインリーチを確定します。実際のリーチに対する想定リーチをクライアントに示します。この発見だけでも、多くの場合、すべての取り組みが報われます。キャンペーンごとの効果測定に関するドキュメントを確認します。
- 2 か月目: リーチ予測。次のキャンペーンに向けて、3~5種類の予算シナリオをテストします。リーチ曲線を提示します。データに基づく推奨事項を導き出します。
- 3か月目: パフォーマンス予測。 信頼区間を使用して成果予測を追加します。予測に対するトラッキングを週単位で設定します。
- 4か月目: 予測重複排除。 キャンペーン中に実行します。重複を見つけます。メディアミックスを再構築して、ユニークリーチを最大化します。
- 5~6か月目: オーディエンスAPI。 ペルソナビルダーで行動ペルソナを作成します。オーディエンスの発見機能で新しいセグメントを発見します。オーディエンス重複機能でユニーク性を検証します。コンバージョン率の特に高いペルソナに予算を再配分します。
- 進行中: MMM API。Amazonのメディアシグナルとリテールシグナルを、効果測定フレームワークに統合します。インサイトを活用して、次の計画サイクルに役立てます。
新規インテグレーターの場合、モデルがトラフィックプロファイルに最適化される最初の30日間は、変動幅が広くなることを想定する必要があります。
アクセス方法
まずはAmazon Ads APIオンボーディングガイドをご確認のうえ、Amazon Adsアカウントチームにお問い合わせください。開発者登録や申し込み要件をご案内するとともに、ユースケースに応じて優先すべきAPIの選定もサポートします。
リソース
メディアプランニングAPIスイートの使用開始に役立つリソースを以下でご確認ください。
APIドキュメント
Amazon Ads APIガイドとメディアプランニングガイドには、技術仕様、エンドポイント、統合ガイドが記載されています。APIドキュメントでは、現在対応しているロケールとAPIのステータスもご確認いただけます。
パートナープラットフォーム
Gigi、Pacvue、Perpetua、Intentwise、Skaiは、ダッシュボードを含むコーディング不要の事前構築済み統合機能を提供しています。
パートナー検索ディレクトリ
パートナーネットワークは、実装をサポートできるAmazon Ads認定パートナーを見つける際に役立ちます。
Amazon Adsアカデミー
メディアプランニング認定資格では、メディアプランニングの基礎とAPIの使い方に関する無料トレーニングを提供しています。
アカウントチーム
Amazon Ads担当者が、事例紹介、オンボーディングサポート、パイロットプログラムへのアクセスを提供します。
開発者ではない場合 大丈夫です。複数のAmazon Adsパートナープラットフォーム(Pacvue、Perpetua、Skai、Gigiなど)が、メディアプランニングAPIの統合を順次進めています。開発時間は不要です。アカウントチームと協力して、貴社のスタックに適したパートナーを見つけましょう。
結論: 推測から予測へ
以前はクライアントと向かい合って、こう言いました。 「このキャンペーンはうまくいくと思います。この計画には、最善を尽くしました。信頼してください。」 内心、恐怖を感じていました。私には経験、ベンチマーク、そして直感がありました。でも、確信はありませんでした。
現在、私は年間2億ドルを費やすようになった同じクライアントと向き合ってこう伝えます。 「予測はこちらです。 ユニークリーチは2,230万と予測されます。1億8500万ドルを越えると曲線が横ばいになるため、1億8,500万ドルを効率的に使用し、残りの1,500万ドルは新しいペルソナのテストに再配分することをお勧めします。こちらが毎週の実績をトラッキングする方法です。調整が行われるタイミングはこちらです。」
この2つの会話の違いは何でしょうか? 推測の必要をなくしたAPIスイートです。「私たちはこう思う」という言い方をやめ、「予測データによると」という言い方に切り替えました。 キャンペーンの成功を期待することはやめて、成功を予測するようになりました。私たちはメディアバイヤーをやめて、メディアストラテジストになりました。変革は確かなものでした。
| 変革前 | 変革後 |
| リーチの推測 | データを活用したリーチの予測 |
| パフォーマンスがターゲットに達することを期待 | 信頼区間を用いた結果の予測 |
| 同じお客様の二重カウント | 重複排除後の真のユニークリーチの把握 |
| 年齢層のターゲティング | コンバージョンにつながる行動ペルソナのターゲティング |
| 取引企業: 「信頼してください」 | 戦略的パートナー: 「予測はこちらです」 |
「クライアントはAmazon内で多額の費用を投じており、確信を持って答えられない質問を投げかけてきます。これらのAPIを使用することで、以下のことが可能になります。綿密に計画し、自信を持って予算を投じ、すべての成果を可視化します。」
唯一の問題は、 競合他社より先に導入するかどうかです。
今後の展開 メディアプランニングAPIの次の発展
- 売上シグナル: Amazonのリテールシグナルと購入者シグナルをキャンペーン開始前のプランニングワークフローに直接組み込む、より深い統合を検討します。広告指標だけでなく、実際の小売成果にメディアプランニングを結びつけます。
- エージェント統合レイヤー: サードパーティのAIエージェントがメディアプランニングAPIと直接統合できる新しい機能。これにより、独自のプランニングツール、自動化ワークフロー、AIを活用した最適化エンジンが、Amazonのプランニングシグナルにプログラムでアクセスできるようになり、手動のAPI呼び出しから自律的な常時接続プランニングインテリジェンスへの移行が可能になります。
付録: APIクイックリファレンス
この表を使用して、各APIをプランニング状況に素早く対応させることができます。
| API | 最適な用途 | 対象 | 前提条件 |
| 過去のリーチ | ベンチマーク、過去の効果測定ギャップの修正 | 米国、カナダ、メキシコ、英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オーストリア、日本、オーストラリア | キャンペーン履歴(最低6か月推奨) |
| リーチ予測 | 予算シナリオのテスト、最適な支出額の見極め | 米国、カナダ、メキシコ、ブラジル、英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オランダ、スウェーデン、トルコ、インド、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、日本、オーストラリア | 対応マーケットプレイス、オーディエンスパラメーター |
| 予測重複排除 | 無駄な費用の削減、チャネルをまたいだ真のユニークリーチの把握 | リーチ予測と同様、Amazon Adsアカウントチームにご確認ください | マルチチャネルメディアミックス |
| パフォーマンス予測 | キャンペーン結果の予測、開始前のクライアント信頼構築 | 米国、カナダ、メキシコ、ブラジル、英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オランダ、スウェーデン、トルコ、インド、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、日本、オーストラリア | キャンペーン履歴による精度の向上 |
| ペルソナビルダー | デモグラフィックを超えた、コンバージョン率の高い行動クラスターの発見 | 米国、カナダ、メキシコ、ブラジル、ドイツ、スペイン、フランス、イタリア、オランダ、スウェーデン、トルコ、英国、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、オーストラリア、インド、日本 | ファーストパーティデータのレイヤリングに使用するAMCインスタンス |
| オーディエンスの発見 | これまで検討していなかった新たなオーディエンスセグメントの発見 | ペルソナビルダーと同様 | 十分なカテゴリーデータ |
| オーディエンス重複 | セグメントの重複の理解、過剰投資の回避 | ペルソナビルダーと同様 | 複数のアクティブなセグメント |
| MMM API | 真のメディア効果の測定、MMM向けシグナル配信の自動化 | 米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、日本、オーストラリア、メキシコ、ブラジル、サウジアラビア、インド | 既存のMMMフレームワーク(社内またはパートナー) |
現在の対応ロケールおよびAPIのステータスについては、advertising.amazon.com/API/docsをご覧いただくか、Amazon Adsのアカウントチームにお問い合わせください。
その他のリソース:
出典:
1 Amazon Internal、米国、2025年~2026年。
2 Amazon Ads APIドキュメント、全世界、2026年。
編集者:
Vic Awokoya、Kapil Dwivedi