効果的な広告において関連性が重要である理由

2021年9月7日 | 投稿者: Brendan Flaherty、ライター、ブランドコンテンツ

この「私の最高のアドバイス」というシリーズでは、広告の専門家から、キャリアジャーニーで得た重要な知識、これまでに受けた最高のアドバイス、ブランドやビジネスの成長に役立つインサイトを教えてもらいます。

Mike Law氏にとって、ビジネスとは個人的なものです。電通の米国Amplifiの社長である同氏は、子どもの頃、大人になったら数学の教師になって、野球のコーチもしようと考えていました。実際にコーチとしての指導は彼のキャリア全般における1つの柱となるのですが、彼はプロビデンスカレッジでの学生時代にビジネスクラスを受講し、マーケティングに関心を持ちました。

大学在学中には、「コカコーラ社で働いて、広告の掲載枠を提案するなんて、かっこいいんじゃないだろうか?」と考えました。 すると、誰かが「それは広告業界だよ」と教えてくれました。

彼はネットワークTVのバイヤーとして初めてのチャンスをつかみました。ファイザー社のクライアントサイドで働く機会なども含め、20年以上のキャリアを積んだ今でも、広告に対する情熱は衰えていません。その理由の多くを占めるのは、広告業界が常に人々と向き合う仕事であるからです。

「簡潔に言うと、私は人々がブランドを愛していると確信しているのです」彼は言います。「私の10代の子どもたちは、お気に入りのブランドに強い関心を抱いています。そうしたつながりが、いつの時代にも重要なのだと思います。」

今まで受けた中で最高のアドバイスは何ですか?

私はこれまでのキャリアを通じて、メディアや交渉に関するさまざまな戦術的インサイトを含め、数多くの素晴らしいアドバイスを受けてきました。しかし、礎となるアドバイス、つまり私が実践している価値観は、私の両親、特に父から伝えられたものです。父は、仕事で自分自身をアピールする方法など、シンプルなことに集中して取り組むことを教えてくれました。礼儀正しく振る舞い、上司より先に出社して上司より後に退社するといった、昔ながらの基本原則です。

私がたまに口にするジョークですが、今までのキャリアを通じて、職場で怒ったのはたったの4回です。その4回はいずれも、私のチームのメンバーの誠実さが問題になったときでした。私にとって、ビジネスの基盤となるのは人間関係です。

ですから、リーダーシップの観点から、私が今までに受けた最高のアドバイスは次のようなものです。 「プレイヤーにはコーチが必要である。」 チームに目標を与える一方で、一人ひとりに目を向ける必要があります。背中を押してもらいたい人もいれば、優しさを必要とする人もいます。それぞれの個性を鑑みる必要があります。彼らはこれまでにどのような経験しているのか? 彼らとどのように関わるべきなのか? これが、チームやクライアントに対する私のアプローチの仕方です。

そのアプローチは、広告の関連性についてのあなたの考え方をどのように形作っていますか?

私たちは、とてもパーソナライズされた世界に生きています。メディアについて言えば、正しい相手に届いたとしても、間違ったメッセージを伝えてしまったら、まったく効果的ではありませんよね。 したがって、エンゲージメントは信頼できるものでなければならず、消費者のブランドに対する愛着を生み出す必要があります。

現在におけるブランドの課題の1つは、お客様がより多くのことを期待しているということです。たとえば、「自分に合った広告体験を望むけれど、あまりに自分に密着しすぎた広告体験は望まない」のように。 その絶妙なバランスを見つけることが課題であり、それが現在の広告業界のあり方を再定義しています。結果、私たちは基本的な疑問に立ち返ります。 要するに、広告とは何なのか?

広告業界の創成期には、人々が無料のコンテンツを入手できるようにするために広告が作成されていました。コンテンツと広告は一体なのです。したがって、広告とは、望ましいコンテンツを手に入れるのをサポートするものだとお客様に再認識してもらえれば、広告を通じて消費者とブランドのより良い関係を築くのに役立つでしょう。

そのため、メディアバイヤーは、終始一貫して消費者のことを考えなければなりません。消費者を数字だと考えて、数字を相手に語りかけるようなことをしてはなりません。消費者も人であり、私たちと同じように考えるべきことを抱えているのだということを、念頭に置く必要があります。

効率的であることと効果的であることの違いは何ですか?

私たちは当然、可能な限り多くのオーディエンスとの関連性を高めることを望んでいます。よく言われていることですが、正しいメッセージを正しいオーディエンスに正しいタイミングで届ける必要があります。そして、リーチ、関連性、効果測定を密に連携させるほど、より良い結果が得られます。

私たちは次の観点からのみ、効果測定を判断しがちです。 多くの消費者にリーチできたか? しかし、はるかに重要なのが次の課題です。 高い関連性でリーチできたか? 消費者は行動を起こしたか? そしてここから、効率的であることと効果的であることの違いについて話を進めてゆきます。

CPMを低く抑え、いわゆる「安価で効率的なメディア」を購入することは、実際に行動を起こす、より少ない消費者に高い関連性でリーチすることほど効果的ではないかもしれません。現在、私たちは適切なメッセージで、より多くのオーディエンスに大規模にリーチすることができます。たとえば、全国放送のテレビでは、国内のすべての拠点にバージョン対応の広告を配信できます。視聴者は、同じ番組を視聴していても、関連性の高さに応じて、異なる広告体験を得ています。こうしたことで、はるかに効果性が高まる可能性があります。

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— 電通のAmplifi社長、Mike Law氏

業界の動向によって、広告による効果性の重要度は高まりましたか?

昨年は、クールで関連性の高いブランドになるための資金を使えなかったので、ブランディングの機会が失われた、というのはまぁ、冗談ですが。多くの企業は、支出したすべての費用が自社のビジネスに再投資されて、ビジネスを成長させる必要に迫られています。そうすれば、従業員を職場に復帰させて、店舗を開き、さらにビジネスを育成することができます。以前も同じことを行っていたと思いますが、そのときはブランドイメージの構築も並行して行っていました。確かに、パンデミックを原因とした傾向の加速はすでに起こっています。それにより、多くのクライアント、ブランド、そして代理店が次の考えに行きついたと思います。 「これまでとは違うやり方で行こう。」

コネクテッドTV(CTV)とリニアTVを例にあげると、人々がCTVに移行していることは把握していました。しかし昨年、コロナウィルスのパンデミックに襲われ、ステイホームを強いられたとき、消費者たちは次のように述べました。「とにかく何か視聴したい。リニアTVを見るのは気が進まない、もしくは物足りない。わずか数ドルを出せば、もっと使い勝手がよく、コンテンツを自分でコントロールできるコネクテッドTVが手に入る。」

これは、最終的に消費者が視聴体験をコントロールしていることを示していると思います。そして、消費者はより良い広告モデルを望んでおり、より多くの選択肢とコントロールを望んでいます。なぜなら、そうしたものがメディア企業から提供されているからです。音声広告であれ、屋外広告であれ、まとまりのない広告や優れたユーザー体験を生み出さない広告のアプローチは、消費者に不満を抱かせる可能性が高くなります。これこそがオンデマンドのコンテンツ、音声、動画がここまでの人気を得た理由だと思います。人々は言います。「観たいものは分かっているし、自分で探して見つけることができる。それで、それを視聴するとなったときに、煩わしいユーザーエクスペリエンスにしないでほしい。」 今、私たちはコンテンツと広告の間の価値交換をより前向きな方法で再定義しているのだと思います。

そのため、昨年は大きな転機の年となりました。今後数年間で、その波及効果を感じることになるでしょう。中長期的には、急速に変化を推し進めたと思います。かつては8年~10年かかっていたことが、今は2~3年のうちに起こります。

広告業界が大きく変化している中、変わらないものは何ですか?

私は、このビジネスに付き物の絶え間ない変化を愛しています。そして、私が日々共に働いている人々が、自らの仕事に等しく情熱を持って取り組んでいる姿を目にできるのは、素晴らしいことです。私たちは、テクノロジーとコンテンツが融合する、輝かしい節目に立ち会っています。そして私は、広告という枠を超え、世界に真の変化をもたらすことができるこの業界の影響力を愛しています。

私たちは、経済的インクルージョンにまつわる変化を推進する力、リーダーシップやビジネスにより多くの表現方法を確保することに伴う変化を推進する力を持っています。私たちは、恵まれない人々や若者たちをサポートし、病気と闘う人々を支えることができます。そして、人々に訴えかけるスローガンがあるとき、広告業界は個人レベル、国家レベル、そして世界レベルでその声を届けます。

だから、私は広告が大好きなのです。絶えず変化するので、モチベーションが保てる点も気に入っています。そして社会的な問題に反応し、物事をより良くするという姿勢を取るこの業界のやり方を愛しています。