より効果的なオンボックス広告の掲載: Paramount+キャンペーンの舞台裏で行われた発明

2022年11月23日 | 投稿者:Dora Wang、コンテンツマーケティングマネージャー

OBAキャンペーンのスポンジボブ

オンボックス広告は、Amazon AdsのBrand Innovation Labが作成したオンパッケージカスタム広告の一種で、デジタル広告が届かない場所にリーチできます。Amazon配送ボックスは、非常に目立つ上に機動的で、汎用性に優れた広告キャンバスを提供します。

しかし、オンボックス広告(OBA)キャンペーンの構想をどのように実現するのでしょうか。 Paramount+が実施した最近の2つのOBAキャンペーンの舞台裏と、その成功に貢献したツールをご紹介します。

スポンジボブパウ・パトロールで新しいオーディエンスにリーチする

2021年に始動したストリーミングサービスであるParamount+は、可視性と認知度を向上させてオーディエンスの増加をサポートする方法を見つけたいと考えていました。それを実現するため、海底のパイナップルの家に住むスポンジボブの助けを借りることにしました。

Paramount+の始動に伴うOBAキャンペーンでは、スポンジボブと数人の友人たちが、人目を引くデザインが描かれた鮮やかなカラーのAmazonボックスとともに3Dの世界に登場しました。このキャンペーンでは、オンパッケージ広告の追加フォームとしてAmazonフレッシュのバッグも使用され、ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴ、サンフランシスコなどの地域に流通しました。ボックスとバッグにはQRコードも付いており、お客様はそのQRコードを使って無料ストリーミングサービスで11の異なる番組の全エピソードを視聴することができました。

その年の後半、パラマウント・ピクチャーズがパウ・パトロール ザ・ムービーをストリーミング配信と劇場公開で同時リリースした際、同ブランドは映画を宣伝するために再びオンボックス広告に注意を向けました。このOBAキャンペーンでは、認知度を高めるだけでなく、人気のパウ・パトロールテレビシリーズ(スピンマスターエンターテインメントが制作、ニコロデオンが放送)をベースにした映画をお客様が楽しむのをサポートしたいという願いがありました。

カスタムAmazonボックスの片面には、パウ・パトロールのキャラクターのカラフルな絵が描かれました。お客様はイラストを見て楽しむだけでなく、切り抜いたり、何かに立てかけたり、遊んだりすることもできました。ボックスのもう1つの面には、映画の舞台であるアドベンチャーシティの背景が描かれました。このシーンはすべて、映画の内容を生き生きと表すのに役立ち、原作のテレビシリーズを見ていない人にも十分楽しんでもらえる紹介となりました。

パウ・パトロール: ザ・ムービーのオンボックス広告
カスタムランディングページ

ボックスの側面にあるQRコードをスキャンすると、映画の予告編、キャラクターに関する情報、および関連商品へのリンクを特集したカスタムランディングページに誘導されます。

「現実世界」のデザインをサポートする

INSITUの発明者でありAmazon Ads Brand Innovation LabのプロダクトマネージャーであるKate Kempは、「ブランドとの継続的なコラボレーションにより、当社のオンボックス広告キャンペーンは驚きと喜びにあふれた最高のカスタマーエクスペリエンスを提供し続けています。当社のボックスを見たり受け取ったりしたお客様に働きかけ続け、広告主のビジョンの達成をサポートしています」と語りました。

このようなカスタムボックスおよびバッグを実現するため、またデザイン、承認、印刷などを含む社内のチーム間、および広告主とのコミュニケーションをよりスムーズに行うためにも、Amazon AdsのBrand Innovation Labチームは、パッケージデザインが現実世界でどのように見えるかをシミュレーションする方法を必要としていました。

Kempは次のように説明しています。「Amazonのお客様がボックスを実際にどのように体験できるかを、単にメールやフラットな画像のような限られた中で紹介するだけに留めたくはありませんでした。お客様がボックスを回転させたり、開閉したり、さまざまな照明でボックスを見たりした時に箱がどのように変化するかを示すツールが必要でした」

これを解決するため、Kempはキャンペーンの作成およびレビューをよりシームレスなプロセスにする方法を考えました。彼女は2020年1月にリリースされたウェブアプリケーションINSITUを設計および構築したシニアデザイン技術者のScott ThiessenやJoe Brustとチームを組みました。

双方にとってより良いカスタマーエクスペリエンスの創出

INSITUを使用すれば、デザイナーはボックスやバッグに掲載する広告をシミュレーションし、お客様が自宅でそれを受け取ったときにどのような体験をするのか確認できます。ボックスやバッグを回転させたり、ボックスを開閉したり、梱包テープを付けた状態で表示させたりすることもできます。そうすることで、アートが水性粘着テープで覆われたり、ボックスの継ぎ目や角に描かれて見えにくくなったりすることがないようにすることが可能で、質の高いカスタマーエクスペリエンスを実現できます。

INSITUウェブアプリケーションでは、許容可能な印刷オフセットも考慮されます。100%完璧な印刷プロセスはあり得ないため、印刷されたデザインが数ミリずれる場合もあります。ごくわずかなばらつきですが、印刷オフセットによって画像や単語がボックス上で見づらくなったり読みにくくなったりするリスクがあります。INSITUは許容可能な印刷オフセットをシミュレーションするため、デザイナーは作成プロセス中にそのオフセットを考慮し、見栄えの悪いボックスがお客様に届くのを防ぐことができます。

INSITUにより、当社にとってのもう一方のお客様である広告主自身のエクスペリエンスも向上します。デザイナーはウェブアプリケーションを使用して、広告主にデザイン全体を示す画像や動画をエクスポートしたり、広告がボックスでどう見えるかをさまざまな角度から示したりすることができます。広告主は、広告がボックス上でどう見えるかを想像で判断する必要がなくなり、画面上で直接確認できるようになります。

INSITUによるポジティブなキャンペーン結果

Paramount+の始動に伴うキャンペーンは、INSITUを使用して実施された最も初期のオンパッケージ広告キャンペーンの1つでした。バッグおよびボックスをデザインする過程全体にわたって、チームは繰り返し検討を重ね、INSITUは複数のオプションを広告主に簡単にプレビューするのに役立ちました。INSITUを使用して印刷オフセットをシミュレーションすることで、スポンジボブがすべてのカスタムボックスとAmazonフレッシュバッグできちんと見えるようになることを確認できました。

Paramount+は、パウ・パトロール ザ・ムービーのオンボックス広告を使用することを決定しました。この決定を下した理由の1つは、スポンジボブキャンペーンが成功したことです。このOBAデザインには機能が追加されたため、Brand Innovation LabはINSITUでプレビューを行い、キャラクターの切り抜きが適切に印刷されることを確認する必要がありました。

INSITUはパウ・パトロールのアドベンチャーシティの背景も改善させました。UXモーションデザイナーのAlekhya Polinaは次のように述べています。「元々はボックスの側面全体を覆うフルブリードデザインを望んでいました。でもINSITUプレビューで、印刷オフセットによってイラストが切り取られたように見えることがわかりました」 お客様のビジュアルエクスペリエンスを向上させるため、チームはデザインにフレームを追加しました。

Paramount+のシニアマーケティングマネージャーであるAn Bui氏は、パウ・パトロールキャンペーンについて次のように述べています。「クリエイティブがこれほどうまくできたことにとても満足しています。このAmazonのボックスは、革新性と創造性をアピールしながらオーディエンスに大規模にリーチできる素晴らしいキャンバスでした。私たちが取り組んだ中で最もキュートなキャンペーンの1つでした」

INSITUの機能は、Brand Innovation Labが思い描いていた通り、お客様が見たり保持したりするオンボックス広告を、人目を引き、興味深く、質の高いものにするうえで役立ちます。

Paramount+のパートナーシップマーケティング担当シニアディレクターであるAmanda Garcia氏は、「消費者が物理的にもParamount+とPrime Videoチャンネルのストリーミングでもパウ・パトロールの世界を楽しめることを知り、このようなボックスが世界中に広まるのを見てとても興奮しています」と語っています。「このキャンペーンの時ほど、姪からかっこよく見られたことはありません」