AWSのJameka Pankeyは、ダイバーシティマーケティングがどのように変化を推進できるかを語る

2022年8月4日 | レベッカ・フォンタナ、シニア編集マネージャー

Amazonは、ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)を最優先事項としており、カンヌライオンズフェスティバルではこのメッセージを伝えることに貢献しました。Amazon Adsはこのイベントの前に、アマゾンウェブサービス(AWS)のグローバル変更管理、運用、および戦略的イベントの責任者であるJameka Pankeyをインタビューしました。彼女は、マーケティングと広告においてのダイバーシティつまり多様性とインクルーシブティつまり包括性をブランドの最重要事項とすべき理由を説明し、ビジネス文化、広告クリエイティブ、ブランドメッセージングで企業がダイバーシティをどのようにサポートできるかについてアドバイスを提供してくれました。

ご自身のことと、AWSでの担当業務について少し教えてください。

Amazonに4年以上在籍しています。Amazonと私は馬が合いました。私はかなりの成果主義で、広い心でリードしています。多様なチームを動かし、リードすることから、気付きを得ています。また、文化的な変化をもたらすことによって、気付かされることもあります。Amazonはインクルーシブなの創出について考える際のベンチマークスタンダードであることを、お客様に示す必要があります。インクルーシブな文化には、黒人、ラテンアメリカ系の人、ネイティブアメリカン、さまざまな障がい、アクセシビリティ、性別を持つ人が含まれます。ですから、 彼らにも舞台を飾る機会を提供しましょう。これは文化的な変化ですよね。 私は変化のムーブメントを推進しようとしている文化的なキュレーターであると同時に、最高の結果を出すことを望む人間です。事実、AWSでそれを実現することができましたし、それを今も続けています。

あなたが成し遂げた仕事についてもっと詳しく知りたいのですが、まず、私たちが今話していることを明確にしましょう。 一般的に企業ではDEI(ダイバーシティ、エクイティ、そしてインクルージョン)というフレーズを使っていますが、AWSではID&E(インクルージョン、ダイバーシティ、そしてエクイティ)を使っています。それについて詳しく教えてください。

これは、私の大好きな、大好きなテーマです。AWSでは、非常に意識的な取り組みを行っています。そして、ID&Eのコンセプトは、とてもシンプルです。なぜIが先頭にくるのかというと、私たちはインクルージョンと帰属の文化をつくることに信頼を置いているからです。これは、社員が自分らしくいられ、すべてのアイデンティティが評価される状態を指します。インクルージョンとは、生きた経験を認め、ユニークなスキルや視点を活用することで、皆が経験を積んで、当事者意識を持ち、自信をつけるようにすることです。

そして、ダイバーシティとは、人種、民族、性自認、性的指向、年齢、階級、身体能力、宗教、言語、軍事的地位など、認識できるすべてのアイデンティティのことを考慮するということです。それがダイバーシティです。そして、エクイティは、アクセスと機会に関係します。それは、個人の成功を阻む障壁を取り除き、偏見を断ち切ることです。政策や慣行、システムによって、すべての社員が機会やリソースを得て、功績を認められるようにすることです。

しかし、ダイバーシティとエクイティがあっても、インクルージョンがなければ、それは持続可能とは言えません。例えば、パーティに行くと、会場にはダイバーシティがあります。さまざまなバックグラウンド、民族、宗教、年齢のゲストがいます。でも、会場の中に入っていっても、仲間に入れてもらえているとは感じられません......ここで、インクルージョンが問題になるのです。インクルージョンがあることで、持続可能性が築かれ、文化的な変化がもたらされ、他の人々が帰属意識を持つようになります。私たちは皆さんをパーティに招待するだけでなく、ダンスに誘いたいのです。そして、何か食べたいものがあるか知りたいのです。参加していると感じてもらいたいのです。「音楽のリクエストはありますか?」と声をかけるでしょう。 そこに真の力が生まれると私たちは信じています。ID&Eは単なるチェック項目ではありません。

AWSのID&Eプロジェクトで、誇りに思うものはありますか? また、どのように進歩を続けていますか?

2020年、私はAWSのテクニカルトレーナーチームにダイバーシティを取り入れるプロジェクトに挑戦しました。テクニカルトレーナーの役割は非常にニッチな役割であり、適切な人材を見つけるのは簡単ではありません。対象分野の強力な専門家になるには長年の経験が必要だからです。そこで、AWS Tech Uというプログラムを開始しました。これは、歴史的に黒人の多い大学の学生を採用するグローバルプログラムです。また、技術的な基準に達していないかもしれないけれども、ある程度の経験や理解は持っている人の再スキルアップを支援し、次のレベルへのステップアップを支援しています。

AWSで歴史を創り出したことは、最もやりがいのある経験でした。AWSで初めて、歴史的に黒人の多い大学に通っているか、技術分野で過小評価されているマイノリティに属しているテクニカルトレーナーを20名以上採用しました。これは大きな機会であり、私たちにとって大きな勝利でした。これには、複数のチームの協力がありました。私たちは、プロセス全体を最初から最後まで意図的に進めれば、うまくいくということを学びました。

そして、トレーニング用のアセットを作成することで、その規模を拡大することができました。今ではそれを、すべてのアーリーキャリアの人材に活用しています。私たちが募集と採用のプロセスにもたらした持続的な変化の例として、私はこのプロジェクトを誇りに思っています。より重要なこととして、私たちはすでにこのプロセスを採用しています。AWSでは、テクノロジーの未来は多様であり、インクルーシブであり、あらゆる人種、性別、信条を越えてアクセス可能であると信じています。そして、私たちはそうすることにコミットしており、私はそのことにわくわくしています。

ブランドにとって、なぜ採用プロセスでインクルーシブであることが重要なのでしょうか?

私たちはインクルーシブな環境を築きたいとき、採用プロセスから始めます。まず、適切な仕組みがあるかどうかを確認します。面接では、私たちが目指す理想のAmazonを表現したいと思っています。善意だけでは変化は起きません。仕組みが変化を起こします。

人材を採用したら、次に取り組むべきことは、 いかにして人材を維持するかです。 私たちは、これらのグループをサポートするための具体的なプログラムを開発しています。意図的に取り組み、オンボーディングのプランもインクルーシブであることを確認しています。リーダーやマネージャーを対象にインクルーシブトレーニングを実施しています。そのようにして、職場でサステナビリティを推進する上で役立つパイプラインや仕組みをつくっています。

では、採用から始まるんですね。しかし、インクルージョンは企業にとってだけでなく、外部のオーディエンスにリーチする点で、どのように役立つのでしょうか? ブランドがお客様とつながり、エンゲージメントを高めるために、なぜインクルーシブなメッセージが大切なのでしょうか?

ブランディングの観点では、次のように考えます。 もし私たちがベンチマークスタンダードになりたいのであれば、正しくやらなければなりません。作業空間で、実務をこなすことも大切です。しかし、デジタル、マーケティング、テクノロジーは、やろうとしていることを可視化するのに役立つものであり、とても重要なものです。私は、マーケティング担当者にいつも次のように自問自答することを勧めています。 これは世界の文化のダイバーシティを反映しているだろうか?

もし反映していなければ、冷静な目で、次のように自問自答します。もっとインクルーシブにするにはどうしたらいいだろうか? 除外されているどんな人がいるだろうか? ここに誰を参加させることができるだろうか?

それはコンテンツそのものにどう表れるだろうか? なぜ写真、言葉、動画、人材にまで、クリエイティブインクルージョンが重要になるのでしょうか?

それは、マーケティングのプレゼンスに関わるからです。子供の頃は、テレビの中で初めてみたものを真似したいと思ったものです。でも、例えば、誰か太り過ぎの人がでてくるアニメは見たことがありませんでした。また、ビデオゲームでアフリカ系アメリカ人の女性が描かれるとき、[黒人女性は皆] 同じような髪型をしていましたが、すべての人の髪型は同じではありません。マーケティングとイメージは、そのような話をつくり上げており、ブランドには、すべての人に大きな影響を与えるイメージを生み出す機会があるのです。

採用活動、キャンペーン、商品開発において、インクルージョンを高めるための第一歩を踏み出そうとしているブランドに対して、何かアドバイスはありますか? また、インクルージョンのための戦略を策定するために何から始めたらよいでしょうか?

善意だけでは変化は生まれないと信じることです。だからこそ、自分たちのアプローチが正しいかどうかを自問し、声高に自己批判しなければなりません。そして、自分たちが抱える問題を解決し、持続的な変化をもたらすメカニズムを構築しなければなりません。私は、皆さんに、何が問題なのかを見つけることをお勧めします。相手の身になって考えてください。もしそれがお客様なら、どうすれば提供するものをお客様にとってより簡単で、より良く、効率的で、よりインクルーシブなものにできるでしょうか?

最も小さな一歩を踏み出しましょう。もし、オフサイトでチームを結成するのであれば、全員がビールを飲むとは考えないことです。そうすれば、最初のアクティビティをバーで行うことにはならないでしょう。朝食を提供するのであれば、全員が豚肉を食べるとは限らないでしょう。スポーツリーグを立ち上げることに興味がある人もいるかもしれませんが、それはすべての人にとって重要なことというわけではないでしょう。どうすれば誰もが仲間として受け入れられていると感じられるかを意図的に考え、まずは自分の中で変化を起こすことから始めてください。

最後に、カンヌライオンズは2019年以来初めてのじかの集まりとなりましたが、そこでID&Eの活動をアピールされましたね。何を感じられましたか?

私たちのストーリーを伝えることができたことに、この上ない喜びを感じています。振り返ってみると、 私たちは自分たちのストーリーを伝えることができました。私たちの視点を共有することができました。真の文化的変化をもたらすことができる方法で、多くの人々に触れることができました。

カンヌライオンズで2つのセッションを行い、さらにAWS ID&Eミーティング&グリートでお客様と交流し、インクルージョン文化の育成という私たちのトピックについて話すユニークな機会を得ることができました。私たちは、お客様とリアルで親密な会話をすることを楽しみにしていました。

そして、AWSではこれからも間違いを犯すことがあるということを認めることは、本当に重要だと思います。私たちは、やるべきことがあると認識しています。世界がアイデンティティ、文化、ダイバーシティ、エクイティについての集団理解を深めていくときに生まれる新しい概念や期待に対してオープンであり続けるよう取り組んでいます。でも私は、自分たちが今いる場所を認識し、この変化の推進を本当に信じている会社で働けることを誇りに思います。このイベントは、私たちが非常に強いブランドプレゼンスを示して、 私たちはここにいます、ID&Eは私たちと共にあります、と伝える機会になりました。