マーケティングに影響を及ぼす消費者行動の傾向とインサイト

2021年5月24日 | 投稿者: Alan Moss、グローバル広告営業担当副社長、Amazon Ads

おそらく多くの皆様と同じように、私と家族は昨年、これまで以上に多くの時間を家で過ごしました。母の80歳の誕生日や子供の高校や大学の卒業など、自宅でいくつかの主要なイベントを祝いました。

母親と妻とともに、自宅で母親の80歳の誕生日を祝うAlan Moss。

パンデミックによってもたらされた変化により、人々のショッピング方法の変化を含め、多くのカテゴリーにおいて消費者行動が急速なシフトを遂げてきました。しかし、これは驚くべきことではありません。私たちは、このような変化により引き起こされる破壊的イノベーションを把握しており、それらがマーケットプレイスに与える影響についても理解しています。すでに表面化していたトレンドや増加傾向にあったトレンドがさらに顕著なものとなりました。

2020年に加速した3つの傾向には、オンラインでの食品ショッピング、コードカッティング、音声技術の普及が含まれます。

オンラインでの食品ショッピングの普及

食品カテゴリーでは、オンライン注文の利用が増えています。一例として、Whole Foods Marketでは、2020年3月から12月までのオンライン売上が2019年の同じ期間と比較して3倍になりました。1 昨年、Amazonでは食品サービスをさらに多くのお客様に提供することに重点を置いてきました。たとえば、9月にWhole Foods Marketはニューヨークのブルックリンに初のオンライン専用の常設店をオープンしました。この新しい配達専門店により、Whole Foods Marketはさらに多くのお客様にサービスを提供し、このエリアで増加し続けている食料品配達の需要に対応することができています。

ブルックリンの新しいオンライン専用Whole Foods MarketのWhole Foods Marketチームメンバー。

ストリーミングの増加

多くの人にとって、テレビは最高の気晴らしとなっています。多くの皆様と同じように、最近私は家族と一緒にたくさんのストリーミングテレビを見ています。このストリーミングの増加は私の家庭に限ったことではありません。この傾向は全国で確認されています。サードパーティの調査によると、過去5年間にわたり、ケーブルTV加入世帯は25%減少し(2,400万世帯の減少)、ケーブルTV非加入世帯は100%増加(2,800万世帯の増加)しています。

また、ケーブルTVに加入している世帯が減っているだけでなく、消費者によるケーブルTVの視聴も減少しています。そしてこれがポイントです。18~24歳の成人はリニアTVの視聴に費やす時間が62%減少し、25~54歳の成人は2010年に費やした半分の時間をリニアTVの視聴に費やしています2

しかし、広告主様にとって良いニュースがあります。この新しい世代の視聴者は、リニアTVからストリーミングTVにシフトしており、この傾向が逆戻りすることはありません。実際、ストリーミングTV広告対応オーディエンスの90%以上が毎日ほぼ2時間の動画コンテンツをストリーミング視聴しています。ストリーミングTVは、単にオーディエンスにリーチするための新しい方法ではなく、個人的にアピールするツールとなります3

音声技術の台頭

NPRおよびEdison Researchの「The Smart Audio Report」によると、米国の成人(18歳以上)の4分の3以上が、パンデミックの早い段階で通常の日課において変化を経験したと述べています。これらの変化のうち、スマートスピーカー所有している米国成人の36%は、音楽を聴くためにデバイスをより多く使用していると回答し、35%はより頻繁にニュースや情報を聞いていると述べています4

過去1年間、お客様はAlexaを使用して生活を少し楽にしてきました。多くの人がAlexaを活用して、家族や友人とのつながりを保ち、楽しみを維持してきました。たとえば、過去1年間に、Alexaを使用している世界中のお客様は、前年の3倍近い回数ビデオ電話をかけました。5 毎週お客様は、TV、PC、ヒアラブル、ウェアラブル、その他のデバイスなど、多数のAlexa対応デバイスで、数十億回Alexaと対話しています6

過去1年間、Alexaを利用している世界中のお客様により、前年の3倍近い回数ビデオ電話が行われた。

広告主様への影響

控えめに言っても、これらすべての変化により、過去1年間に広告主様の業務がより複雑になったことは明らかです。昨年のほとんどの期間、デジタル購入過程は家庭で発生しています。広告主様として、私たちすべてが直面している状況に対応するため、クリエイティブを入れ替え、メッセージを更新するなど、変化し続ける世界に迅速に対応する必要がありました。

キャンペーンの成功は、オーディエンスを理解し、新しい機会を発見し、お客様のいる場所に合わせてキャンペーンを調整するために必要なインサイトにアクセスできるかどうかに直接結びついています。これを実現するために、Amazon Adsでは、引き続きファーストパーティのインサイトを活用して、広告主様が目標とするオーディエンスにさらに自信を持ってリーチできるようサポートします。たとえば、当社のライフスタイルオーディエンスは、アプリやデバイス、新しく追加されたTwitchオーディエンスなど、Amazon全体のストリーミングアクティビティやショッピングシグナルに基づいて、広告主様が視聴者とつながるのに役立ちます。
消費者行動の最近の変化により、ストリーミングテレビを視聴したり、お気に入りの音楽やポッドキャストを聴いたり、待望の小包を玄関で待ったりしているオーディエンスに対して、日常生活の中で効果的にリーチする必要があります。音声配信を増やし、ポッドキャスト内で音声広告を開始する計画により、広告主様が幅広いオーディエンスにリーチし、プレミアム音声コンテンツにおいてブランドを浸透させるお手伝いをしたいと考えています。さらに、アクションを実行可能な動画広告導入し、視聴者がリモコンや音声を使ってブランドとつながりを持てるようにしました。

クロスメディアの効果測定と透明性はマーケティング担当者にとって既知の課題です。広告主様は、検索、ディスプレイ、動画/ストリーミングTV、音声などのさまざまなチャネルでメディアがどのような効果を上げているかについてカスタマージャーニーの各段階で把握し、すぐに行動に移せる実際的なインサイトについて知りたいと考えています。そのために、当社では効果測定ソリューション、特にAmazon Marketing Cloud(AMC)への投資を行い、ROAS(広告費用対効果)に限定せずキャンペーンをより正確に測定し、最適化できるようサポートします。AMCにより、広告主様はアマゾンウェブサービスを基盤に構築された包括的な効果測定ソリューションを利用できます。このソリューションでは、Amazon DSPとスポンサー広告のデータセットを分析し、集約された実用的なインサイトを生成できます。

広告主様に代わってイノベーションを行う

昨年は私たちにとって確かに挑戦の年となりました。そして、挑戦を乗り越える過程で、しばしば変化が起こります。これらの変化は、リテールを含むいくつかの分野で見受けられました。しかし、これらの課題があっても、Amazonは広告をご利用のお客様や提携している代理店およびパートナー様による素晴らしい粘り強さと革新的なアイデアに触発されてきました。

Amazon Adsでは、より多くのカスタマージャーニーが家庭を発端としているという現状も考慮しながら、カスタマージャーニーに沿ったあらゆるタッチポイントで付加価値のあるエクスペリエンスを作り上げるため、広告の捉え方を再考し続けています。

Amazon Adsのグローバル広告営業担当副社長であるAlan Mossは、世界中の企業がお客様に働きかけ、ブランドの構築をサポートできるように取り組みを実施しています。Amazon Adsに入社する前は、Googleに13年間勤務し、最近ではプロフェッショナルサービス担当副社長を務め、世界中の広告主様とパブリッシャーをサポートしています。

参照元

1 Amazon Internal、2021年5月、https://media.wholefoodsmarket.com/positioning-whole-foods-market-for-continued-growth
2 eMarketer、2020年2月、動画広告のコンバージェンスレポート、2019年第4四半期
3 Amazon Internal、2020年、Comscore State of OTT、2020年、参照元: 米国労働統計局、2019年
4 https://www.edisonresearch.com/the-smart-audio-report-2020-from-npr-and-edison-research/
5 https://www.aboutamazon.com/news/devices/alexa-send-a-hug-to-mom
6 https://www.aboutamazon.com/news/devices/alexa-skip-to-2021