ジャズとコメディが創造性についてマーケティング担当者に明らかにすること

2021年8月9日 | 投稿者: Dora Wang、マーケティングマネージャー

ジャズはコメディとどのように似ているでしょうか?

これは、カンヌライオンズ国際クリエイティビティフェスティバル2021で、IMDb TVのコンテンツおよび番組製作の共同責任者であるLauren Anderson氏が提起した質問です。Anderson氏がそう尋ねたのにはもっともな理由がありました。Timewastersの生みの親である、俳優で作家のDaniel Lawrence Taylor氏とのインタビューを司会していたのです。この作品は、南ロンドンのジャズバンドが1920年代にタイムスリップして奮闘する様子を描き、英国アカデミー賞にノミネートされたコメディです。

Taylor氏から、これら2つの芸術の関係について多くのインサイトを教えていただきました。マーケティング担当者や広告主は、これらのインサイトを活用して、自身の仕事の創造性を高めることができます。

Daniel Lawrence Taylor氏 - Timewasters、Romarna Campbell氏 - the Romarna Campbell Trio、Lauren Anderson氏 - IMDb TVのコンテンツおよび番組製作の共同責任者

Daniel Lawrence Taylor氏 - Timewasters、Romarna Campbell氏 - the Romarna Campbell Trio、Lauren Anderson氏 - IMDb TVのコンテンツおよび番組製作の共同責任者

コラボレーションと即興

ジャズは即興とコラボレーションに根ざした芸術形式で、ミュージシャンは他の演奏者の音を借りつつ、それを土台にして作り上げます。コメディにも同じことが言えます。

Timewastersという作品と、2人組みのコメディに出演した以前の経験の両方を思い起こしながら、Taylor氏は同意しました。Timewastersにふさわしい配役を決めることは、一緒に協力し、お互いの創造的エネルギーを引き出してコメディの魅力を生み出すことができる4人の俳優を見つけることを意味しました。4人が演じた後、Taylor氏は重役から印象的な褒め言葉を受けました。 「友達全員を番組に出演させたのはすばらしい」と聞いたことをTaylor氏は思い出しました。

その褒め言葉の唯一の問題は、それが間違っていることでした。「私としては、『あの、友達ではないのですが』という感じでした」と、Taylor氏は説明しました。しかし、その誤解は出演者たちが引き起こした「化学反応」の証拠でした。Timewastersの成功の要因は、個々の俳優の才能だけではなく、俳優たちがどのように協力したかにあります。「全員がうまく影響し合って作品を作ることができました」と、Taylor氏は語りました。

コメディの脚本であれ、ジャズ音楽であれ、マーケティングなどのクリエイティブな試みであれ、仲間のアーティストとのコラボレーションは、魅力的で、驚きを与え、美しいものを作るのに役立ちます。

自身の人生経験から引き出す

Taylor氏がジャズとコメディを組み合わせることを考えた理由の1つは、トランペットの演奏を習っていたからでした。残念ながら、この2つのアイデアの相乗効果を思い付いた後、どちらかを中断しなければなりませんでした。Taylor氏はこう述べます。「おもしろいことに、番組を書き始めたので、トランペットを習う時間がなくなってしまいました。それで完全にやめました。」 それでも、この経験により、この2つの芸術形式がどれだけうまく融合するかを実感することができ、Timewastersの意外で興味深い組み合わせにつながりました。

英国のジャズミュージシャンのグループであるRomarna Campbell TrioのRomarna Campbell氏は、アーティスト自身の経験の大切さに同意しています。「創造性を発揮できるときは、できる限り自分らしくあり、自分の本心を表現しているときだと思います」と、Campbell氏は説明しました。「独創性は、本当の自分でいるときに生まれます。」

意味のあるレベルでつながる

Campbell氏にとって、人とのつながりも創造性において大きな役割を果たします。「[ジャズは]ソーシャルミュージックだと思います」と、説明しました。「私が作曲したり演奏したりした音楽の多くには、私の人生で起きていることが表れています。それは本当に親しい[...]人たちと関係があるので、力強い意味を持っています。」

創造性が求められるどんな仕事の場合にも、人とのつながりの力を見落とさないでください。マーケティング担当者は、Campbell氏の例のようにオーディエンスを個人的には知らないかもしれません。それでも、マーケティングを通じて人々とコミュニケーションを取る際には、本物のつながりを目指して努力することができます。何を作っている場合でも、対象とする人たちに本当に関心を持ってもらえれば、もっと成功するでしょう。

世界がまだ見ていないものを創り出す

Timewastersのアイデアを思い付いたとき、Taylor氏は、PlebsThe InbetweenersDriftersなど、一群の登場人物を呼び物にした英国のコメディ番組の人気に注目しました。Taylor氏は、芸術表現を広げる1つの方法を知っていました。 「黒人俳優だけの配役みたいなものを作りたかったんです。」 既存の番組に自分と同じような人物が映っているのを見たことがないであろう視聴者に対して、Timewastersは、視聴者がまったく見逃していたものを提供することができました。

「私は全力を傾けて[...]、少し違うものになりたかったんです」と、Taylor氏は語りました。自分の作品に真の創造性をもたらすとは、何か新しいものを生み出すことです。そうして、これまでに経験したことのないものを世界に提供することができます。

コメディはTaylor氏に芸術表現の手段を提供し、Romarna Campbell Trioにとってのジャズも同様です。「ジャズには一連のルールがあります」と、Campbell氏はコメントしました。「ルールにとらわれるな、というルールなのです。あなたにとっての唯一の制限は、自分の想像力です。」

マーケティング担当者も、同じことを覚えておくとよいかもしれません。想像力の境界を押し広げて、今までになかったものを作り出すことで、意味のあるレベルでオーディエンスとつながることができるのです。