Twitchを舞台に、CA in LAは音楽と映画の世界で独自の道を切り拓く

 Courtney Birk氏とAshleigh Coffelt氏

2022年3月21日 | 投稿者:Matt Miller、シニアコピーライター

Twitchで有名になるには何が必要でしょうか? Going Liveシリーズへようこそ。ここでは、人気のTwitchクリエイターが独自のコミュニティを見つけ、視聴者、ストリーマー、ブランドがリアルタイムでつながることができるスペースを作り上げていった経緯を説明します。

CA in LAの予告編

2021年の初夏です。Courtney Birk氏とAshleigh Coffelt氏は、Twitchのストリーミング中に目を潤ませています。ほんの少し前、CA in LAとして知られるミュージシャンで映画制作者でもあるこの2人組は、Twitchコミュニティでの4回目で最後となる資金調達ラウンドを完了し、目標額の15,000ドルを達成しました。集まった資金は、このアーティストたちが映画やテレビ制作に使用されるプロ仕様のカメラ、Arri Amiraの購入を支援する資金となります。チャットに参加している視聴者は、自分たちも泣いていると言っています。みんな泣いています。人生を変えるような勝利の瞬間を、皆で一緒に共有しています。

「これは、私たちが何かを購入するというだけの話ではないんです。これこそ私たちの新しいキャリアを切り開いてくれたものです」と、Coffelt氏は数か月後に振り返ります。

主流のエンターテインメント業界は、ミュージシャンや俳優、映画製作者としてとして成功しようとする新人1に容赦がないことで知られています。しかし、Birk氏とCoffelt氏は、レコード会社やタレント事務所、キャスティングコール、大手スタジオなど、制度的に必要とされる従来のルート2ではなく、Twitchという手段で業界に独自の道を切り開いたのです。受賞歴のある俳優また監督であるBirk氏とCoffelt氏は、国内外の映画祭で上映された100本以上の映画に出演または制作しています。深い感動を呼ぶドラマから洞察に満ちたコメディまで、彼女たちの作品は現代の20代に必要なメンタルヘルスや人間関係、あらゆることを探求しています。彼女たちは雰囲気のあるインディーポップのアルバムを2枚レコーディングし、Twitchには18,000人以上のフォロワーがいます

LAで自分たちの道を切り開く

CA in LAは、2012年末にやや意外な状況下で結成された、とBirk氏は述べます。彼女たちは2人ともメリーランド州のコロンビアでレストランの仕事をしていました。2013年に13本の短編映画を制作する計画についてCoffelt氏が別のウェイトレスと話しているのをBirk氏が耳にしました。「それで、私は大胆にもその夜遅くにFacebookで彼女にメッセージを送って、『あなたの映画に私を出演させて』と言ったんです。」とても図々しい方法でしたが、うまくいきました。彼女たちは一緒に映画を作成しました。「それ以来、私は他の誰とも絶対に一緒に仕事をしたくありませんでした」とBirk氏は言います。

2016年までには、彼女たちのクリエイティブなパートナーシップは音楽にも発展しました。メリーランド州でレストランの仕事を続け、長編映画の資金を調達する傍ら、プロとして一緒に音楽を演奏するようになりました。2017年、彼女たちはロサンゼルスに移り住みました。そこで新しいレストランの仕事を得、映画業界でさまざまな仕事をこなしながら自分たちのアーティスト活動をサポートしていきました。

2018年、友人がこの2人組にTwitchを紹介しました。2人はすぐに、パフォーマーとしてのスキルを磨き、自分たちのアートを発信するための新しいステージになり得ると考えました。当時、最大のオーディエンスがいたのはゲームだったので、Twitchでゲームコンテンツを作成してデビューしました。しかし、ストリーミングに音楽を入れ始めたところ、「音楽に加えて [自分たちの] 映画を紹介し、ビジュアル要素を本格的に取り入れることで、クリエイターとしてのギャップを埋め、『ちょっと変わったことをやっているんだ』とアピールできる」とすぐに気付きました。

数か月もしないうちに、CA in LAは自分のチャンネルを映画と音楽に完全に専念することに決めました。今日、彼女たちのストリーミングは、座ってぶらぶらしたり、音楽をかけたり、映画を見て話し合ったりするためのスペースになっています。アーティストが集う居心地の良い地元のコーヒーショップのように感じます。その後ろの本棚には、映画「クリスマスストーリー」の象徴的なレッグランプのレプリカが一年中置かれています。彼女たちのアパートには画材や楽器が散らばっていて、背後の壁にはプロジェクターでデザインを投影しています。チャットで視聴者からリクエストされたカバーを演奏します。時にはホットドッグやバナナの格好をしたり、映画鑑賞会を開いたりします。また、映画上映会や他の監督へのインタビューなど、他の若手アーティストや映画界や音楽界の多様な声に耳を傾ける場も提供しています。2021年10月、彼女たちはフィリピン系アメリカ人歴史月間のイベントを企画しました。「仲間のフィリピン人クリエイターとできるだけ多くの時間を過ごすことを目標にしました」とCoffelt氏は言います。

Twitchのアートコミュニティ

2020年の初め、この2人組はレストランでの仕事のシフトの合間にストリーミングの時間を捻出していました。しかし、アメリカでパンデミックが急増し始めたその年の3月、レストラン閉鎖を知らせる手紙を受け取りました。「LAの家賃は天文学的な額で、本業もなくなってしまいました」とCoffelt氏は述懐します。

しかし、Birk氏とCoffelt氏に助けがないわけではありませんでした。彼女たちは、CA in LAのコミュニティにサポートを求めました。

「家賃の寄付(チップ)目標を設定した途端、みんなが送ってきてくれました。『君たちが必要とするものは何でも手に入れてあげるよ』という感じでした。 そして嘘ではありませんでした。みんながサポートしてくれました」とCoffelt氏は言います。「登録者は最高数に達し、私たちのチャンネルは、最高同時視聴者数を記録しました。みんな本当に応援してくれました。とても興味深い移行期でした。今でこそフルタイムのアーティストとして活動できるようになりましたが、当時は外に出て映画を作るのも安全ではありませんでした。Twitchは私たちの逃れ場であり、公開の場であり、そして生きる糧でもありました。それは、文字通りいちかばちかという状況でした。」

彼女たちは、ハワイ語で「家族」を意味する「オハナ」という自分たちのコミュニティの助けを借りて、生き延びることができました。それから1年間、この2人組は身を粉にして、コミュニティづくりとアート制作に専念しました。

CA in LAは、新作映画のための10,000ドルの資金調達目標を達成するための支援として、1人の視聴者から1,772.82ドルの寄付を受け取りました。

ブランドとクリエイターが一体となってアートを作る方法

CA in LAのオハナが彼女たちのアートを支え続ける一方で(2021年後半、1人の視聴者からの1,772.82ドルの寄付で新作映画の資金調達目標10,000ドルを達成)、彼女たちはブランドと協力してフルタイムで自分自身をサポートすることも行っています。現在、飲料会社のIntentと照明会社のRoscoがスポンサーになっています。

「Roscoのスポンサーシップが実現したのは、私たちが映画界の多くの女性たちと関わっているからです。ストリーマーがあまりいないので、そのギャップを埋めようと思ったんです」とCoffelt氏は言います。「私たちのストリーミングは美的センスにこだわっているので、それらの会社に価値を提供することはとてもうまくいきました。私たちのストリーミングが表示されたら、[Twitchトップページ] カルーセルにポップアップ表示されます。彼らにとって、それはとても魅力的でした。」

Intentの場合、Birk氏とCoffelt氏は会社の価値観に共感していると言っているので、それは自然な流れでした。「私たちの価値観に合うブランドを見つけることができたのは、とても大きなことでした」とCoffelt氏は言います。「それで、一部のスポンサーはお断りしました。」

Birk氏とCoffelt氏は、このようなブランドとストリーマーのコラボレーションを実現しようとする場合、クリエイターが積極的にブランドに対して何ができるかを示すことが重要であると言います。Birk氏とCoffelt氏にとって、それは信頼です。彼女たちは、自分たちが積極的に使いたいと思うブランドをサポートすることが大切だと言います。Roscoのライトは彼女たちのストリーミングで使用されています。

「つまり、私たちの側で、その会社との整合性を確認するために多くの調査を行うのです」とCoffelt氏は言います。「私たちは、自分たちのコミュニティに与える自分たちの影響力を意識しています。彼らは私たちの姿を見て、私たちの言葉を信頼しているので、勧められれば手を出すと思います。信頼と信用を育み、100の商品を次から次へと勧めるようなことをしない限りは。」

オハナやブランドのサポートを受けながら、CA in LAは今年も「できる限り大きな夢を描いている」とCoffelt氏は言います。彼女たちは、オハナが資金援助したカメラを使って、新しい長編映画を制作しました。一方で、映画をより深く掘り下げ、コミュニティをストーリー展開の旅に連れて行きたいと考えています。「インディーズ映画監督として成功するには、必ずしもスタジオを利用することが唯一の方法ではないことを人々に示す存在でありたいと願っています」と彼女は言います。

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CA in LA、Courtney Birk氏

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1 Paoletta, Kyle.Why it’s Harder Than Ever to Make it in Hollywood.2020年7月。
2 Tseng, Ada.How to pay your bills when you’re starting out in Hollywood.2021年6月。