創造性、イノベーション、ブランド構築を表彰: 10の受賞キャンペーンから得られる5つのインサイト
2023年12月8日 | 投稿:Amazon Adsテックエバンジェリスト、Jeff Cohen
Amazon Adsの年次カンファレンスであるUnBoxedで、2023年Amazon Adsパートナーアワード受賞者10社が発表されました。パートナーアワードは、代理店様やテクノロジープロバイダー様がクライアントに提供し続けている大胆でクリエイティブな取り組みに敬意を表し、表彰するプログラムです。このアワードは、先見の明のあるキャンペーンを評価し、プロダクト全般におけるAmazon Adsパートナーの施策および技術的な判断力に注目します。これらのパートナーがクライアントをサポートする際に考案したキャンペーンの創造性、発想力、精度に感銘を受けました。中には、難しい状況に対処するものもありました。
今年の受賞者は、期待を超えることの意味を明確にしており、パフォーマンス、チャレンジャー、グローバル展開、テクノロジーイノベーション、クリエイティブブランド構築のカテゴリーで、ブランドにとって最も重要な指標を向上させました。その快挙は、地域や業種を問わず、クライアントに素晴らしい結果をもたらすための協力関係や取り組みの効果を反映しています。
これほどの結果を生み出した受賞者の実績に興味があり、少し調べることにしました。ここでは、受賞者から学べるポイントをご紹介します。
1.説得力のあるブランドストーリーを作り上げた。
一部の受賞者は、従来の広告掲載の枠を超えて、ドキュメンタリーやマルチメディアのコンテンツをキャンペーンに組み込みました。説得力のあるストーリーテリングにより、こうしたクロスチャネルを追加したことは、消費者がこれらのブランドとより深くつながる結果になりました。たとえば、iProspectは、若いミレニアル世代と成人のZ世代の注目を集めるために開発された新しいデジタル銀行口座の宣伝を依頼されました。ING Groupのお客様にはたらきかけるため、同代理店は2段階のキャンペーンを実施しました。第1段階では、ブランドのドキュメンタリーに重点を置いてPrime VideoとTwitchで宣伝しました。第2段階では、同じようなイメージの映像音声を取り入れて銀行口座そのものを宣伝し、ターゲットのランディングページに視聴者を誘導したことで、90万回以上の閲覧数に達しました。1
同様に、VMLY&R CommerceとStacklineは、アースマンスに向けて、消費者による楽しいアウトドアとGeneral Millsの関連付けを狙うためにプランを考案しました。同社は、Prime Videoで自然に関するドキュメンタリーを厳選してから、Fire TV広告でキャンペーンの認知を高めました。General Millsは、1時間の視聴ごとにNational Park Foundationに1ドルを寄付し、Amazonもその寄付と同額を寄付した結果、キャンペーンで10万ドルが集まりました。2
どちらの場合も、パートナーのクリエイティブなアプローチは、消費者がブランドの価値観と感情的なつながりを築くようサポートしてから、何らかの購入や契約を提案しました。
2.受賞者はカスタマージャーニーに戦略を合わせた。
パートナーアワード受賞者の多くが採用していると思われるアプローチは、認知から始めて検討やコンバージョンへと移行する統合戦略です。その戦略と比べて、単独のキャンペーンは一貫性が乏しく、成功率も低くなります。Global Overviewは、ナッツバターブランドのPip & Nutに協調戦略を提案しました。 商品ターゲティングとオーディエンスターゲティングには、それぞれスポンサーブランド動画広告とスポンサーディスプレイ広告を採用しました。トラフィックが増える季節イベントの期間中に、Pip & NutはAmazon DSPディスプレイ広告キャンペーンと連動して、カテゴリーキーワードから新しいオーディエンスにリーチし、ブランド新規顧客を引き込みました。このフルファネルアプローチにより、クライアントの広告に起因するブランド新規顧客の合計は871%増加しました。3
こうした調和の取れた戦略により、オーディエンスが発見から購入の段階に移行しても、メッセージの関連性が確実に保たれます。ここで、O3M Directional Marketingが、老舗ランジェリーブランドであるVNH Naidu Hallをサポートし、限られた予算内で飽和状態のマーケットプレイスにおいて差を付けるという複雑な課題にもかかわらず、オンライン販売戦略を刷新した経緯をご紹介します。
O3Mは、若年成人のオーディエンスにリーチするため、認知を高めるスポンサーディスプレイ広告の掲載枠と、コンバージョン重視のスポンサーブランド広告を組み合わせて、カスタマージャーニーに合わせた補完的なメッセージを使用しました。その結果、ブランド新規顧客による注文が121%増加し、ACOSも23%減少し、双方にメリットがありました。4
これらはいずれも、広告プロダクトを相互に組み合わせて望ましい結果をもたらす方法を示す優れた例です。
3.ローカライゼーションがグローバル展開の鍵であると認識していた。
海外展開を検討している企業には、グローバルなビジョンとキャンペーンの現地での実施、カスタマイズ、微調整を各国で統合できるパートナーが必要です。グローバル展開アワードを受賞したPodeanは、スポンサープロダクト広告とAmazon DSP(および独自のリテール主導型メディアフレームワーク)を活用して、クライアントのe.l.f.Cosmeticsが英国とカナダで売上を伸ばすのをサポートしました。
その取り組みは、考え抜かれたローカライゼーションと最適化に投資することで、ブランドがいかに地域の複雑な要素をうまく乗り越えて海外マーケットプレイスに参入できるか、また新たな国での成長が評判を確立した国での販売力を必ずしも低下させるものではないということを強調しています。このキャンペーン中に、カナダの売上高は前年比で131%の増加、英国の売上は60%の増加、キャンペーンのターゲットではなかった米国の売上は97%の増加を見せました。5
4.テスト文化を育んだ。
Amazon Adsは定期的に新機能をリリースしているため、新たなフォーマットや掲載枠を進んで試そうとする革新的なパートナーは成功を収める可能性があります。受賞者は、常に創意工夫を発揮して新しいアイデアを取り入れる一方で、有効性を測定していました。つまり、インサイトに基づいたテスト、微調整、モニタリング、修正を通じて継続的な向上に取り組んでいるのです。テクノロジーイノベーションアワードを受賞したXmarsは、SparkxGlobalが運営しており、テクノロジーによる最適化を最も明白に実証しました。同社は、洗練された使いやすいAIツールを使用して、クライアントであるSunnydaze Decorのキャンペーン作成とモニタリングを自動化しました。わずか2か月間で、このインテリア雑貨ブランドの広告起因の売上が408%増加しました。6
ただし、最適化には必ずしも自動化が必要とは限りません。たとえば、Adbrewは、ランジェリーブランドのCloviaへの細かい在庫セグメンテーションにより、ターゲティングを強化し、お客様に既存の幅広い選択肢があるにもかかわらず、同ブランドのリーチに大きな違いをもたらしました。的を絞ることで、大胆な手法を取り、価値の高い商品の特徴をスポンサーブランド広告やスポンサープロダクト広告のキャンペーンに組み入れました。7加えて、Venture ForgeはZENBの広告をヒーロー商品の独自の特性とメリットに密接に関連付けたことで、キャンペーン期間中に、同ブランドの黄えんどう豆のパスタがAmazonで売上第2位のパスタになりました。8
5.戦略的にリソースを割り当てた。
ブランドの予算が限られている場合、通常はパフォーマンスベースのキャンペーンに重点を置きます。たとえば、予算が少ないという制約にもかかわらず、Lab 916はクライアントのKOBOのスポンサーブランド広告を検索用語と商品に集中させ、KOBOのキャンドルが売れる可能性を最大限に高めました。こうして、同社は考えられる最良のROIを得ることに集中できました。9
サプリメントブランドのTru Niagenは、Ad Advanceに依頼し、特にブランド新規顧客による売上に特に重点を置いて、定期購入の拡大を狙いました。Ad Advanceは、Amazon Marketing Cloudを通じて得たインサイトを活用して販売アプローチを最適化したことで、「本日の特選商品」とトップページのテイクオーバーというダブルの表示により、ブランド史上最も好調な営業四半期となりました。10
まとめると、 受賞したAmazonパートナーは、クリエイティブでカスタマイズされた、指標主導型戦略の効果を示しました。受賞キャンペーンは融合戦略の効果を実証しています。つまり、ローカライゼーション、テクノロジーを活用した最適化、統合ファネルプランニング、戦略的な予算設定、高度なターゲティング、イノベーション、売上成長への注力と、創造性やストーリーテリングを組み合わせています。
広告主様にお尋ねしたいことがあります。 受賞したパートナーから何を学ばれましたか。 上記のインサイトを広告主様のビジネスにどのように当てはめられるでしょうか。
これからもテクノロジープロバイダー、代理店様、ブランドがAmazon Adsを利用して水準を引き上げていかれることを楽しみにしています。
2023年パートナーアワード受賞者。2023年10月23日にニューヨーク市のパートナーアワード祝賀会にて撮影
この記事に掲載されている事例、インサイト、数値、結果、その他のデータは、2023年Amazon Adsパートナーアワードで取り上げられた受賞キャンペーンの並外れたパフォーマンスに基づくものです。提供される情報は考察および解説のためのものであり、推奨や助言を目的としたものではありません。過去のパフォーマンスは将来のパフォーマンスを保証するものではありません。
1 iProspect、スペイン、2022年9月5日~11月20日。n=98%のユニークリーチ
2 VMLY&R CommerceとStackline、米国、2023年4月1日~26日。n=インプレッション:5億以上。ブランド新規顧客:55%以上、General MillsからNational Park Foundationへ10万ドルの寄付
3 Global Overview、米国、2022年7月1日~10月31日、n=スポンサー広告。インプレッション: 53,162,546。クリック: 201,984。DSPインプレッション: 91,707,458。累積リーチ: 2,403,817。クリック: 172,248
4 O3M Directional Marketing、インド、2023年3月1日~30日。n=9,190回のクリック
5 Podean、米国、英国、カナダ、2022年5月1日~2023年4月28日。n=インプレッションが前年比167%増加
6 Xmars、米国、2023年3月1日~4月30日。n=インプレッション: 288,111,926(SA+DSP)。クリック: 859,088。DSP累積リーチ: 1,361,296
7 Adbrew、インド、2022年11月1日~2023年4月30日。n=988,674,600回のインプレッション、ブランド新規顧客による売上が99%増加
8 Venture Forge、英国、2022年6月1日~2023年4月30日。n=79,000,000回のインプレッションと159,000回のページビュー
9 Lab 916、米国、2022年11月1日〜2023年4月30日。n=2,557,258回のインプレッションと6,073回のクリック
10 Ad Advance、米国、2023年1月1日~3月31日。n=225,530,090回のインプレッション。24,346,102のユニークリーチ